美容室の採用担当者の方へ。本記事では、美容師採用におけるSNS運営の重要性や、各SNSのおそれぞれの特性と運用事例についてご紹介します。美容学生の新卒採用を増やしたり、サロンの情報発信力を高めたりするのに有効な情報を公開していますので、ぜひ参考にしてください。
美容室採用におけるSNSの重要性
美容室の採用といえば、求人広告に載せるということが従来多く行われていました。しかし、SNS、特にInstagramが普及してきたころから、Instagramでの認知度の高さ(=フォロワー数が多い美容室または美容師がいるサロン)が採用にも影響するようになってきました。
近年の美容求職者は、物心つく前からデジタル機器やインターネット環境が身近にあり、学生時代はスマホを片手に、あらゆる日常生活の場面を完結させていますので、就職活動においても、メインツールはSNSです。
求人広告は、サロン独自の強みや魅力が伝わらず他社サロンと同じような印象になりやすい一方、InstagramをはじめとしたSNSは、サロンごとのブランディングが確立されており他社との違いがわかりやすいというのも、就職活動の場がSNSになる理由の一つと言えます。
SNSを用いた採用方法、すなわち「ソーシャルリクルーティング」を充実させることは、これからの採用のターゲットとなるZ世代と呼ばれる人たちにとって必要不可欠と言えるでしょう。
美容師採用における各SNSの特徴と運営事例
SNS運営による採用活動は、求職者に直接積極的にアプローチすることもできますし、発信した投稿に対する求職者からのアクションを待つこともできるので、採用側にとってのメリットも大きいです。
では、美容室採用におけるInstagram・Twitter・YouTube・TikTokはどのような特徴があるのでしょうか?
1. Instagram
Instagramは、美容師になりたい求職者にとって一番の情報源ではないでしょうか。写真・簡潔な動画・生配信と活用しやすい手法が整っているのが特徴です。アカウントを複数持つことが可能なので、ターゲットや目的に応じて使い分けると、より充実した情報発信の場を作ることができます。
①トレンドや流行を意識し、最大限表現できるサロンアカウント
美容室の掲げるコンセプトを表現するのに、モデルさんを使ったビジュアルイメージ写真は必須です。その表現方法も、InstagramのアカウントのTOPページを見れば、一目で自分の好みと合うかどうかを判断できます。
②最新のリクルート情報を発信するリクルートアカウント
募集要項や、会社概要、スタッフの表情などを発信するリクルート専用のアカウントを作れば、ターゲットが絞り込まれるため、求職者だけに向けてダイレクトに情報を届けることができるようになります。
写真や画像だけの情報よりも、Z世代は動画のコンテンツに興味をもつ人が多いです。フォロワーを集めるためには、リール機能や短い動画での情報配信が、有効な手段の一つとしてあげられます。
また、インスタLIVEを使って会社説明会を開くことも可能です。コロナ禍以降、WEB動画やZOOM説明会などのような、非接触・遠距離でも情報を送ることができる手段として、求職者にとって気軽に視聴ができることも良いと思います。
リクルート専用のアカウントをフォローする人は自然と求職者だけになるので、質問を募集したり学生が求めるサロンの在り方について意見をもらえたりなど、密な情報交換ができるようになるのもメリットの一つです。
Instagramフォロワー数46万人!美容室「ALBUM」の活用例
ALBUMは約47万人ものフォロワー数を抱え、Instagramを集客にも採用にも最大限活用し成功している美容室といえるでしょう。所属しているスタイリストのInstagramの個人アカウントもフォロワー数が10万人前後いる人も少なくありません。その圧倒的な認知度の高さから、美容師からも美容学生からも沢山の支持を得ています。
カットやアレンジのhow to動画をフィード投稿で配信し、美容師に対してだけでなく、一般のユーザーまで、幅広い層に有益な情報を配信していることが大きな強みでしょう。リクルート情報はストーリーズ機能とハイライトで発信し、またインスタLIVEでの会社説明会も特徴的です。
2. Twitter
Twitterの特徴として、動画などもあげられますが、140文字以内のテキストでの投稿がメインのSNSです。10代~20代の利用率が約70%を超えていることから、Twitterを利用した採用活動も有効的ではないかと考えられますが、美容室採用という点では、活用できている企業はまだ少ないかもしれません。
ですが、拡散力が高く、認知度の向上を狙えることができるので、ブランディングを築き上げることなどが期待できます。また、リプライ機能を使用し求職者に直接メッセージを送ったりできるなど、「攻め」の採用活動ができると言えるでしょう。
Twitterを始める際に、気を付けることは、アカウントをサロン専用アカウントにするのではなく、美容師本人またはオーナーや採用担当者の個人アカウントにすることがポイントです。企業アカウントだと、フォローしたり、DMを送ったりする際に、警戒されてしまうことが懸念されるからです。個人アカウントにすることで親しみ易さを感じてもらい、求職者との距離が縮まると有利です。
Twitterを活用したスカウトメールの返信率が77%!株式会社「favy」の活用例
美容室経営の会社ではありませんが、デジタルマーケティングで飲食店を支援している株式会社「favy」はTwitterでのスカウトメールにおいて高い返信率を誇っています。求職者と繋がれば、より自社に合う人材に出会える可能性が広がるでしょう。
3. YouTube
採用活動においてYouTubeは企業説明動画など、自社をアピールするツールとして、時間無制限で発信できるところがメリットです。
また、店舗・スタッフ紹介・イベント紹介など、写真や短い動画などだけでは分かりにくい部分を補ってくれます。
YouTubeのみを使用して、採用活動を広げていくことは中々難しいと考えられるので、InstagramやTwitterを充実させてから、載せきれない情報をYouTubeで長い動画を作成して、配信していく方が良いと思います。
4. TikTok
TikTokは、若い世代「Z世代」の利用率が高く、美容室の新卒採用のターゲットは多くが利用していると考えられます。また、「バズり」やすく、拡散力もあるため、認知度を向上させることが期待できます。
まだ美容室採用として活用事例は少ないと思いますが、Z世代の心を掴むためには、使いこなせることが望ましいでしょう。
TikTokは「開始3秒が勝負」と言われているほど、【引き付け】られるかが大切です。バズりやすい動画を分析すると、意外性のある面白い動画などが閲覧数が伸びる傾向にあると思います。リクルート情報のみではなく、スタッフの日常やヘアスタイルのビフォアアフターの変身姿など、少しの驚き・面白みのある内容で、フォロワーを増やし、親しみを持ってもらえると活用方法が広がっていくかもしれません。
Instagramに比べ、TikTokでの有名美容師はあまり多くないといえるでしょう。いわゆるインスタグラマー美容師は多くいますが、ティックトッカー美容師は、あまり耳にしないことから、TikTokでバズるとターゲット層であるZ世代の興味を一気に引くことが期待できます。その結果、集客・採用ともに相乗効果もあるかもしません。
美容室採用におけるSNSとの付き合い方
すべてのSNSを使いこなすことは望ましい半面、運用していくことの難しさもあると思います。それぞれの用途・特徴を理解し、自社の望むターゲット層が何を利用しているのかを踏まえることが大切です。
優先度としては、InstagramやTwitterの活用が美容室採用にとっては、「待ち」と「攻め」の両方を備えたツールですので、使いやすいSNSと言えると思います。YouTubeやTikTokは、InstagramやTwitterの充実を図った後の次なる手段として始めてみるのがいいでしょう。最初は、フォロワー数0が当たり前です。地道にコツコツ・・・SNSを上手に活用できれば、採用費0での人材確保も夢ではありません。まずは、それぞれのSNSのコンセプトや、ターゲットを明確にし、運用を始めてみてください。
美容師の採用戦略
#1 美容室採用におけるソーシャルリクルーティングとは?各SNSの特徴と運営事例を公開
#2 美容師採用を成功へと導く手順|人材に困らない考え方と行動とは?
#3 美容室のオンライン企業説明会を行う上で心得ておきたいこと|開催方法や事前に準備することは?
#4「こんなサロンで働きたい!」美容学生から注目される美容室とは?|Z世代が働きたいと思うヘアサロンは?
#5 美容学生の就活における不安や疑問とは?美容学生の声 第2弾
#6 採用に強い美容室の取り組み3選|差別化を図るポイントは?
#7 美容師が転職を考える理由3選|人材が集まる美容サロンの事例もご紹介!
#8【美容師×〇〇】美容業界の新しい取り組みを進める2社をフォーカス!その共通点とは?
#9 美容室の人材不足の解決案!応募率をあげるには?①助成金制度を活用し職場改善に取り組む
#10 美容室の人材不足の解決案!応募率をあげるには?②休眠美容師に注目|ママ美容師たちが輝ける場を
#11 美容室の採用に役立つ助成金9選
#12 採用にかかるコストはどのくらい?~手法と相場~