美容室採用におけるオンライン企業説明会のメリット・デメリットとは?
新型コロナウィルスの影響で、採用活動だけでなく全ての事柄で「オンライン」という手法が広まりました。今まで出来なかったことも、「非接触・遠距離」でも可能になったことが多くあり、採用活動も基本的に、対面での説明会・見学・面接から、zoomやInstagramなどのコンテンツを利用したオンラインでの手法が一般的になりつつあります。
数々の業界が採用活動にオンラインという手法を取り入れていることで、美容師採用のオンライン化を検討している美容室も多いのはないでしょうか。採用方法を一新する上で気になる利点と欠点。ここでは、美容師採用におけるオンライン化のメリットとデメリットをご紹介します。
オンラインで企業説明会を行うメリット
美容学生などの求職者に向けて、自社サロンの強みや魅力についてアピールする場の企業説明会。求職者を採用に繋げるためにまず興味を持ってもらうという大事な過程です。オンラインで行えるメリットはどのようなものでしょうか。
オンライン説明会のメリット1. 遠距離に移動する必要がない
美容学生などの中には現状住んでいる場所ではない所に就職を考えている人も多いかと思いますが、そういった求職者にとって、遠方の美容室に赴いて、説明会や見学に参加することは大変なことです。交通費も時間もかかりますし、1日に聞ける会社も限られてきます。企業説明会がオンラインで行われていれば、学校を丸1日休んだり交通手段を確保したりという手間がなくなるので、地方住みの求職者にとって就職活動のハードルが下がるでしょう。
また、地方の専門学校などに出向いて企業説明会を開いていた美容室側にとっても、遠距離移動の必要がなくなることは大きなメリットとなります。
オンライン説明会のメリット2. 求職者が参加しやすい
家や学校など場所を選ばずに視聴できるので、地方など遠方に住んでいる求職者が参加しやすくなるというメリットがあります。また、拘束時間が短くなることでスケジュールが合わせやすいこともメリットです。
新型コロナウィルス感染症のパンデミックなどの影響で、沢山の人が集まる場所を懸念する人たちも増えているので、非接触で参加できることも良い点かと思います。
オンライン説明会のメリット3. 開催費用がかからない
説明会を主催する企業側にとっては、開催場所や出張にかかる経費をかけることなく求職者に自社をアピールできるメリットがあります。美容師採用にかかるコストを大幅に削減することができるのは、企業としてかなり嬉しいポイントです。
求人広告代理店が主催する企業説明会への参加は、1回の参加費用が10万円~30万円ほどかかる場合も多く、自社でオンラインで開催できれば、開催にかかる費用は0で済む場合もあります。
オンラインで企業説明会を行うデメリット
沢山のメリットがある一方で、デメリットもあります。
オンライン説明会のデメリット1. リアクションが分かりづらい
対面とオンラインで大きく違うのは、コミュニケーションをとっている相手のリアクションがわかりづらい点です。また、こちらの印象も、求職者の記憶に残すには工夫が必要です。そのため、通常の対面でのリアクションの1.5倍は大きくリアクションをとるようにしましょう。
オンライン説明会のデメリット2. インターネット環境を整えなければならない
リアルタイムでの配信では、接続が途中で途切れてしまうことも懸念されます。なかなか繋がらないなど問題が多く起きてしまうと、せっかく視聴してくれている求職者も最後まで見てくれない場合も。オンライン上に人を集める前に、自社での事前テストを行い、通信状況に問題がないか確認しておく必要があります。
もしインターネット環境に不安がある場合は、開催前に回線等を整えたり、万が一配信中に通信が途切れてしまった時の対応を求職者へ呼びかけておいたりすることが重要です。
オンライン説明会のデメリット3. 美容室の魅力・雰囲気が伝わりづらい
画面越しでは、なかなか全てを伝えきることは難しいことです。百聞は一見にしかずの通り、魅力・雰囲気・空気感を伝えるには工夫が必要です。
美容師になりたい求職者にとって、実際に働く場所の雰囲気を肌で感じることができる対面での交流は、一番印象に残る手法でしょう。ですが、実際に見学・説明会に来てもらうことは大変なことです。また物理的にも距離的にも難しい求職者もいますので、まずは手軽に参加しやすいオンラインで、自社に興味を持ってもらう足がかりを広げる必要があります。
実際に働くスタッフのインタビューや講習の様子など、写真や動画を用いた視覚的な情報共有ができると、オンラインでもサロンの雰囲気や社員の実際の声を届けやすいです。
オンライン企業説明会の開催方法
オンライン企業説明会とは、スマホやパソコンを使ってインターネット環境下で行う採用活動で、リアルタイムで配信を行うLIVE形式と、あらかじめ録画しておいた動画を配信する形式のふたつに分類されます。
また、開催方法としては、ZOOMやインスタLIVE、YouTubeでの配信などを活用している企業が多いでしょう。
オンライン説明会開催方法1. LIVE配信
リアルタイムで実施することができるので、求職者のリアクションを見ながら会話やチャットなどでコミュニケーションを積極的に取ることができますし、質問などもその場で受け答えができます。
一方で、配信時間などをあらかじめ決めてから開催することになりますので、スケジュールの調整が大変です。美容室の認知度が高く同じ時間に多くの視聴者を得られる場合はとても有利ですが、視聴者を集めることが難しい美容室の場合は録画配信の方が活用しやすいかもしれません。
また、リアルタイムでおこなうことなので、ネット環境によって接続が切れてしまったり、映像や音声がフリーズするなどのイレギュラーな事態が起こる可能性もあるので、事前のテストが大切です。
ライブ配信型の企業説明会は、主にZOOMやインスタライブを使って行う場合が多いでしょう。
ZOOMを使用する場合
ZOOMで行う場合は、事前に告知し参加希望者にURLを送ります。決まった時刻にログインしてもらい、管理者(美容室)側が入室を許可します。また、パワーポイントなどで資料を作成し、画面共有などで写真や表を使いながら説明していくことができます。
美容室側が1人に対して、求職者は1人でも複数でも可能です。1対1で対応する場合はよりコミュニケーションが取りやすいので、求職者からすれば有意義な時間で応募に繋がりやすい傾向にあると思います。参加者の人数が多いと、ひとりひとりの対応は難しいかもしれませんが、個別対応は特別感も増すので、検討してもいいかもしれません。
複数人に向けて行う場合は、ひとりよがりに話してしまっては、求職者も飽きてしまいます。できる限りキャッチボールをしながら、写真など画像を交えて説明していくことがポイントです。マイクをオンにするだけでなく、二択の質問にするなど工夫すればリアクションボタンを活用してコミュニケーションを取ることもできます。
Instagramのライブ機能を使用する
インスタライブで行う場合も、事前に告知は必要ですが、参加者は自由に視聴したり退出したりできます。フォロワー数が多ければ多いほど有利ですが、認知度が低いと機能しないかもしれません。
インスタライブでは、画像や写真を使って説明するよりも、二人以上で出演し会話しながらインタビュー形式で話すなどの工夫が効果的です。また、リアクションやコメントにすぐ反応し、視聴者とコミュニケーションをしっかりとれることが最大のメリットだと思います。出演者以外の裏方、または出演者のうちのひとりは必ずリアクションとコメントを把握できるようにしておいた方がいいと思います。
配信した後はアーカイブに残しておけば、リアルタイムで参加できなかった人や動画を見返したい人も視聴することが可能です。
Zoomは「かっちりとした」、インスタライブは「気軽さ」がそれぞれのメリットであり、デメリットでもあると思います。まずは、ZOOMでの企業説明会が開けるようにしておくと、色々な場面で応用できると思いますので、企画してみるといいかもしれません。
オンライン説明会開催方法2. 録画配信
録画して動画を編集してから配信できるので、企業にとっては一度作成してしまえばその後の手間などがかからず、求職者にとっても自分の好きな時間に見ることができるので、とても便利です。また、求職者に直接スカウトメールなどを送る場合や、専門学校への自社をアピールする時にも、会社紹介などの動画がある方がイメージを伝えやすく活用の用途は広いです。
しかし、一方的に動画を視聴するだけなので、質疑応答などのコミュニケーションがとれないことや、視聴を途中でやめてしまう場合など懸念点もあります。
また、動画の内容をより良くしようとしても、どこが悪かったのか、追加して欲しい情報は何かなどといった視聴者の反応を見れないので、改善しづらい点もデメリットです。
<動画の作成方法について>
動画を作る際には、まずは何分の動画にするのかなど、台本を作り構成を考えましょう。紹介したいことは何なのかを明確に台本に起こしておくと編集もしやすいはずです。次に素材作りです。説明している動画や、会社の概要が一覧できる表・画像、社員の雰囲気が伝わる写真や動画など、台本に合わせて素材を作りましょう。準備ができたら編集すれば、1年間は色々な場面で使えると思います。
編集ソフトは色々なものがありますが、「DaVinci Resolve(ダヴィンチリゾルブ)」というものがおすすめです。「無料 動画編 ソフト」と検索すると、必ず上位に表示されます。ほとんどの機能が無料で使えるので、使い勝手がよいです。
YouTubeを使用する
YouTubeは倍速で聞いたりと使い勝手も良く視聴者にとっても見やすいコンテンツなので、自社のYouTubeチャンネルは開設しておくことが望ましいです。企業説明会動画の他にも、店舗紹介やスタッフインタビューなどもアップロードしておくなど、情報が充実していくといいと思います。
また、YouTubeにアップされた動画は、自社のホームページや運営メディアで二次利用ができます。一度アップしておくと汎用性が高いので、YouTubeでの公開はオススメです。
Instagramを使用する
Instagramのリール機能やIGTVを使って、録画動画を配信していくこともいいと思います。
リールは15~30秒の短い動画なので、情報を載せるというよりは「引きつけ」効果の方を期待したい所。企業説明会動画としてはIGTVで投稿するといいと思います。IGTVで投稿する場合、スマホからのアップロードは1~15分、パソコンからだと1~60分の動画が投稿できます。
オンラインを取り入れて美容師採用を円滑に
「オンライン企業説明会」と聞くと、何から始めたらいいのか分からない美容室経営者・採用担当者もいると思います。美容室で働いているとデジタルに疎いなんてこともあると思いますが、これからの時代は、非接触・遠距離・遠隔・デジタル化・オンラインなど、美容室にとっても避けては通れない時代となっていくでしょう。
開催方法や、動画作成方法など、ひとつずつ紐解いてみれば、自社の方針にあったやり方が見えてくると思います。この記事が、少しでも美容室採用に行き詰っている経営者・採用担当者へのヒントになればと思います。
美容師の採用戦略
#1 美容室採用におけるソーシャルリクルーティングとは?各SNSの特徴と運営事例を公開
#2 美容師採用を成功へと導く手順|人材に困らない考え方と行動とは?
#3 美容室のオンライン企業説明会を行う上で心得ておきたいこと|開催方法や事前に準備することは?
#4「こんなサロンで働きたい!」美容学生から注目される美容室とは?|Z世代が働きたいと思うヘアサロンは?
#5 美容学生の就活における不安や疑問とは?美容学生の声 第2弾
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