切り傷メイクのやり方を知りたい方へ。今回は、ヘアメイク師が実際に使用している道具を使って、リアルな「切り傷」を再現する特殊メイクの方法をご紹介します。
ハロウィンやコスプレなどのイベントはもちろん、ドラマや舞台、撮影などでも使われる傷メイク。
「どうすれば本物の傷のように見えるの?」
「特殊メイクって、専用の道具がたくさん必要なの?」
そんな疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
今回は、切り傷メイクに必要な道具から、傷の土台づくり、色の付け方、血の表現まで、順番に詳しく紹介します。
特殊メイク初心者の方でも挑戦しやすい方法なので、ぜひ参考にしてみてください。

切り傷メイクに必要な道具
まずは、切り傷を作るために必要な道具を準備します。
今回使用したのはこちらです。




- 三善 メークアップワックス
切り傷などの立体的な造形に使用します。 - 三善 ブロードペイント
血の表現に使用します。 - メイクアップフォーエバー フラッシュカラー
フェイス・ボディ用のクリームカラー。今回は傷の周辺や傷口の色付けに使用します。 - スパチュラ
メークアップワックスを成形したり、傷口を作ったりするために使用します。 - メイク用スポンジ
色を肌になじませるために使用します。 - 粗めのスポンジ
すり傷のような質感を表現するために使用します。 - ワセリン
メークアップワックスを伸ばしやすくするために使用します。 - 綿棒
- ティッシュ
三善のメークアップワックスは、傷や立体的な造形などの特殊メイクに使用できる商品です。
使用する化粧品は、肌に使えることを確認したものを選びましょう。また、肌が敏感な方は、使用する製品の注意事項を確認し、必要に応じて目立たない場所で試してから使用するなど、肌の状態にも配慮してください。
切り傷メイクのやり方
道具がそろったら、実際に切り傷を作っていきます。
今回のポイントは、「傷そのものを描くだけではなく、傷の周りに立体感や色の変化をつくること」です。
1.メークアップワックスで傷の土台を作る

まず、メークアップワックスを作りたい傷の大きさに合わせて取り、軽くこねます。
ワックスが柔らかくなったら、傷を作りたい場所にのせます。
指やスパチュラを使いながら、ワックスの周囲を肌になじませていきましょう。
ここで大切なのが、傷を作る部分を少し盛り上げておくこと。
肌との境目が急に盛り上がっていると、そこだけが貼り付けたように見えてしまいます。
そのため、ワックスの端を薄く伸ばしながら、肌との境目がなだらかになるように整えます。
ワックスが伸ばしにくい場合は、ワセリンを少量使うと扱いやすくなります。
ただし、つけすぎるとワックスが滑りやすくなるため、少量ずつ使うのがポイントです。
2.ワックスに切り傷を作る

土台ができたら、メークアップワックスに切り傷を作っていきます。
この工程では、先の細いスパチュラがあると作業しやすくなります。
今回はスパチュラがなかったため、ピンセットで代用しました。
傷の形を一気に深く作るのではなく、少しずつ形を整えていくと扱いやすいでしょう。
また、傷を作る場所によって見え方も変わります。
たとえば、指の関節のように曲げたり伸ばしたりする場所に傷メイクをする場合は、実際にその部分を動かしてみると、傷口の開き方が変わります。
動く部分だからこそ、傷口に少し幅を持たせると、よりリアルな印象になります。
3.切り傷の周りに赤みやあざを作る

次に、フラッシュカラーを使って傷の周辺に色をつけていきます。
今回は赤や茶色を使用し、傷の周りに赤みやあざのような色を加えました。
スポンジに少量のカラーを取り、肌にポンポンとのせていきます。
ここで一色をベタッと塗ってしまうよりも、少しずつ色を重ねながらぼかすのがおすすめです。
傷の周辺が均一な赤色になっているより、色に濃淡があるほうが自然に見えます。
あざを表現したい場合は色をプラス
切り傷だけでなく、ぶつけたようなあざも一緒に表現したい場合は、青や黄色などの色を加えるのもポイントです。
傷の状態や設定に合わせて色を変えてみましょう。
たとえば、傷の中心は濃い赤や茶色、周辺には薄い赤や青みのある色を入れるなど、色の範囲を少しずつ変えていくと立体感が出ます。
4.傷口に色をつける
次に、フラッシュカラーの黒・茶・赤などを使って、傷口に色をつけます。
ここでは「傷を描く」というより、先ほど作ったワックスの形に合わせて色を重ねていくイメージです。
傷口の中心を濃くし、周辺を少しずつぼかすことで、立体感のある仕上がりになります。
全体を同じ濃さにするのではなく、濃い部分と薄い部分を作ることがリアルに見せるポイントです。
5.血のりで切り傷をリアルに仕上げる

最後に、三善のブロードペイントを使用して、血が出ているような表現を加えます。
傷口に少量ずつのせながら、血が流れているように見える場所を作っていきます。
ここでも、最初から大量につけるのではなく、少しずつ足していくのがおすすめです。
血の量や流れ方を変えるだけでも、傷の印象はかなり変わります。
たとえば、
- 傷口に血がにじんでいる
- 少し血が流れている
- 乾きかけている
- できたばかりで血が多い
など、シーンに合わせて表現を変えてみましょう。
6.粗めのスポンジで「すり傷」をプラス

さらにリアルな傷メイクにしたい場合は、粗めのスポンジを使ってみましょう。
スポンジに少量のカラーや血のりをつけ、傷の周辺に軽くポンポンとのせます。
普通のスポンジで均一に塗るのとは違い、粗めのスポンジを使うことで、肌が擦れたような不均一な質感を表現できます。
切り傷だけでなく、すり傷も組み合わせたい場合におすすめの方法です。
三善でも、舞台や撮影用の特殊なメイクとして「傷・あざ・ヤケド」などの表現を扱っています。
切り傷メイクをリアルに見せる3つのポイント
最後に、切り傷メイクを自然に見せるためのポイントをまとめます。
ポイント1.傷の「立体感」を作る
傷を赤い線で描くだけでは、どうしても「傷を描いた」ように見えてしまいます。
メークアップワックスを使って傷の周辺を盛り上げ、肌との境目をなだらかにすることで、立体感を出せます。
ポイント2.色を一色で仕上げない
赤だけでなく、茶色や黒などを組み合わせることで、傷口に深みが出ます。
さらに、傷の周辺に赤みやあざを加えると、よりリアルな印象になります。
「一色で完成させない」ことが、傷メイクの大きなポイントです。
ポイント3.血の量と質感を調整する
最後に加える血のりは、つける量によって仕上がりの印象が大きく変わります。
ハロウィンなどのイベントなら少し大胆に、撮影や舞台なら作品や役柄に合わせて調整するなど、シーンに合わせて使い分けてみましょう。
切り傷メイクの完成!

これで切り傷メイクの完成です。
メークアップワックスで立体的な土台を作り、周辺に赤みやあざを加え、最後に血のりや粗めのスポンジで質感をプラス。
この順番で作っていくと、ただ傷を描くだけではなく、立体感のあるリアルな切り傷メイクに仕上げやすくなります。
ハロウィンやコスプレなどのイベントだけでなく、ドラマ・舞台・撮影など、特殊メイクが必要なシーンでも活用できるテクニックです。
「特殊メイクは難しそう」と感じるかもしれませんが、まずは身近な道具から試して、色や立体感のつけ方を少しずつ変えてみるのも面白いですよ。
ヘアメイク師の現場では、通常のヘアメイクだけでなく、作品や役柄に合わせたさまざまな表現が求められます。
今回の切り傷メイクをきっかけに、特殊メイクの技術にもぜひ挑戦してみてください。
リアルを追求しよう◎
今回は指の関節部分に切り傷メイクをしてみました。参考になりましたか?
土台を作る際、肌とメークワックスの境目をなだらかに馴染ませることがリアルに再現するポイント。切り傷ができてすぐのイメージの場合は明るめの血糊を使い、時間が経った切り傷には暗めの血糊を使うなど、想定された時間経過に応じてアイテム選びをするのも重要です。
あざや火傷のメイクも次回ご紹介していきます。ぜひチェックしてみてください◎

