【美容室で働く】教育カリキュラムを紹介|『クロス付け#03』5つのポイント

美容師がお客様に使用しているクロスは、カットクロス(大人用、子供用)、カラークロス、パーマクロス、シャンプークロス(シャンプー用、カラーシャンプー用)の4種類があります。名前の通りカットするときにはカットクロスを付ける。カラーリングをするときにはカラークロスを、シャンプーをするときにはシャンプークロスを付けます。
ここでは、施術をするときのクロスの付け方、カラーリングをするときのカラー準備、そしてパーマをするときのパーマ準備を紹介します。美容師がどんなところに気を付けながらそれぞれの準備をしているのか。

まずは、クロス付けのポイント5つを紹介します。

目次

美容室でクロスは何のために付けるの?

まず始めに、なぜ美容室ではお客様にクロスを付けるのかを理解しましょう。クロスを付けることにより、以下のことが起きないようにします。

  • お客様の大切なお洋服に髪の毛や薬が付かないように。
  • お客様の大切なお洋服をハサミなどで傷つけてしまわないように。

このように、美容室では髪の毛を切ったり、洋服にダメージが出てしまう薬剤を使っています。クロスを付けることにより、お客さまの大切なお洋服を傷つけたり汚したりしないようにしましょう。

また、お客様に協力していただきながらの準備になります。どこでどんなお声がけをしながら進めていくかなど、知っているか知らないかで、お客様に与える印象が大きく変わります。準備でもたついてしまうと、お客様の大事な時間を奪ってしまうことになりますので、しっかりロールプレイングをして、自信をもって行動できるようにしておきましょう。

クロス付け|5つのポイント

まずクロスを付ける前に、これからお客様がカットをするのかカラーリングをするのか、パーマをするのかを確認しましょう。カラーやパーマをする場合は、クロスを付ける前にワゴンの準備をします

メニューワゴンに敷くタオルワゴンに置くもの
カット不要スプレーヤー
カラー黒タオル黒タオル、輪ゴム、イヤーキャップ、フェイスクリーム、タイマー
パーマベージュタオルスプレイヤー、タオル、イヤーキャップ
施術別ワゴン準備

ここでは、クロスの付け方5つのポイントを紹介いたします。カットクロス、カラークロス、パーマクロスの場合、この5つのポイントは同じです。

シャンプークロスの付け方については、以下の記事で紹介しています。

クロス付けのポイント① お声がけ

まず最初は、お客様へのお声がけです。クロスは、お客様の背後から付けるため、お客様が驚かないように必ずお声がけをしてからクロスを付けましょう

『失礼いたします。クロスをお付けします。』

又は

『失礼いたします。カラーの準備をしていきます。』

必ず一言添えましょう!

【ここで注意!】
カラーやパーマをする場合、洋服を保護するために襟にラップをかけます。
タートルネックは内側に折らせて頂きます。またワイシャツの襟は『お首元緩めていただいてもよろしいでしょうか?』一言添えて第一ボタンを外して頂きます。それから内側に折らせて頂きます。
※パーマの場合は首タオルにパーマ液が浸透することがあるため広めにラップします。

クロス付けのポイント②首にタオルを巻く

タオルは、この写真ように外側に2~3センチ折ってから、首に巻きます。喉仏の位置は指1本分程度緩めてタオルを巻きましょう。

『お首は苦しくありませんか?』

タオルを巻いた後、苦しくないかを必ずお客様に確認しましょう。また、髪が長いお客様の場合は、先にダックカールで髪の毛を留めてお客様の首が見えるようにしておきます。

クロス付けのポイント③クロスをつける

巻いたタオルの上にクロスを付けていきます。クロスをお客様の前に回すときに、お客様に不快な思いをさせないように、以下のことに気を付けましょう。

  • お客様の前にクロスを回す際、クロスでお客様の視線を遮らないようにしましょう。
  • お客様の身体に触れないように、自分の腕をしっかり伸ばして前方にクロスを広げましょう。

『お袖をお願いします』

と、お声がけをしてお客様の両腕を通していただきます。

クロス付けのポイント④首の後ろで止める

正しいクロスの付け方:後ろから見てタオルが見えない。
正しいクロスの付け方:耳から後ろはタオルが見えない。

耳から後ろは、タオルが見えないようにしてクロスを止めます。耳から後ろ側にタオルが出ていると、コームに引っかかったり、薬が出ているタオルに浸透してお客様の洋服を汚してしまいます。ここでの最大のポイントは、耳から後ろ側は絶対にタオルが出ないようにすることです。

クロス付けのポイント⑤準備が終わったら

カットのお客様の準備はこのクロス付けで終わりです。クロスを付けてお客様から離れる場合は、必ずお客様にお声がけをしましょう。

『少々お待ちください』

担当スタイリストに報告します。

『準備が終わりました。お願いします』

常にお客様の立場にたって、思いやりのあるお声がけを心がけましょう!

カラー、パーマクロスを付けた後のカラーパーマ準備|4つのポイント

クロス付けの5つのポイントでクロスの付け方を紹介しました。ここでは、クロスを付け終わった後について紹介します。準備は、以下4つです。

  1. 肩にタオルを掛ける
  2. イヤーキャップを付ける
  3. フェイスクリームを塗る
  4. 準備完了後のお声がけ

カラー剤がクロスやお客様の耳やお顔に直接付かないように、1つ1つの準備を丁寧に行いましょう。

カラーパーマ準備①肩にタオルを掛ける

カラークロスの上のタオルの付け方(横)
カラークロスの上のタオルの付け方(後ろ)

まずは写真のように、カラークロスの上にタオルを付けます。付け方は、輪ゴムを手元で2重にしておいて、その輪ゴムで肩に掛けたタオルを輪ゴムを使って前で留めます。
この時、肩にかけた黒タオルはクロスの襟(首タオルとクロスの留めた部分が重なった部分)に折り込みます

【ここでポイント!】パーマ準備の場合は、肩に掛けたタオルは、カラー同様襟に織り込みますが、ロッドを巻いた後に襟から出します。首タオルからパーマ液が浸透してお客様のお洋服を汚してしまう可能性があるためです。

パーマクロスの上のタオルの付け方(横)
パーマクロスの上のタオルの付け方(後ろ)

カラーパーマ準備② イヤーキャップを付ける

イヤーキャップは、耳にカラー剤が付かないようするために付けます。カラー剤を塗りやすくするため、イヤーキャップのヒラヒラの部分が内側になるように装着します。

『カラー剤が付かないように、紐をねじってつけてもよろしいでしょうか?』

カラー準備完成形
イヤーキャップ

この時、店内用マスクの耳にかける紐をねじって耳に付けてもらうと、マスクの紐にカラー剤が付いてしまうことが避けられます。イヤーキャップをするときにお声がけをしましょう。

この状態が完成形です!覚えておきましょう。

カラーパーマ準備③フェイスクリームを塗る

フェイスクリームは、お客様のお肌をカラー剤から保護するために、お客様の顔周りに塗ります。シャンプーの時にカラー剤を落としやすくする目的もあります。

【ここで注意!】
カラーリングの種類によって塗り方が異なるので注意しましょう。
・アルカリカラー:生え際に少しかかるように塗ります。
・ヘアーマニキュア、ヘナ:クリームが髪の毛に付くと弾いて染まりにくくなるので、絶対に髪の毛につかないように生え際に塗ります。

カラーパーマ準備④準備完了後のお声がけ

カラーやパーマをするお客様の準備はこれで完了です。
準備を終えてお客様から離れる場合は、必ずお客様にお声がけをしましょう。

『少々お待ちください』

担当者に

『準備が終わりました。お願いします』

そのままカラーリングに入る場合は、

『カラーを塗って(巻いて)行きます。何かありましたらおっしゃってください』
※この時の何かとは、しみる、痛い、ヒリヒリする等の事を指します。

常にお客様の立場にたって、思いやりのあるお声がけを心がけましょう!

準備はできるだけ素早くお客様の時間を大切に

いかがでしたか??お客様への最高のおもてなしは、時間を守ることです。
いつも同じメニューをされるお客様は、今日もこれくらいの時間で終わるだろうと予想して、次のご予定をたててらっしゃる方もいらっしゃいます。
美容室では、予約状況や薬剤効果の違いなどで、予想外に時間をロスしてしまうことが多々あります。この記事で書いたクロス付け(施術準備)は、そんな時間のロスを予測して、常に素早く完了させましょう。

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この記事を書いた人

CARINO編集部です。美容師さんやヘアメイクアーティストさんに役立つコンテンツを発信します。

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