【保健】人体の構造及び機能|血液・循環器系について、本記事ではまず、「血液」の重要ポイントをまとめました。赤血球や白血球をはじめとする血球成分の特徴や役割など、しっかり理解して暗記しましょう!
【保健】人体の構造及び機能|血液って?
人の体は、生命維持のために、必要な物質を体外から取り込み、不要になったものを排出する物質代謝を続けることで、細胞を生かしています。この代謝を促すために必要な物質を細胞に送り込み、不要になった物質を運び去る役割を果たすのが血液です。
血液の特徴|血餅・血清
血液を血管から取り出して数分放置すると、凝固が始まります。ゼリーのように固まったものを「血餅(けっぺい)」といい、これをさらに放置すると、透明な黄色みがかった液体が出てきます。これを「血清(けっせい)」といいます。
血液が体重に占める割合
血液は、体重の約8%。あるいは13分の1程度を占めています。
ちなみに、血液以外が体重に占める割合は、以下の通りです。
・骨=20%
・水=60%
【保健】人体の構造及び機能|血液をもっと詳しく分解してみよう
血液を詳しく分解すると、まず血球成分と液体成分(血漿)に分かれます。さらに、血球成分は、赤血球・白血球・血小板に分かれ、液体成分は水・タンパク質などに分かれます。わかりやすくした図が以下の通りです。
赤血球
血球成分のうち、一番多い割合を占める赤血球について詳しく見ていきます。
赤血球の役割
赤血球は主に、酸素の運搬を行います。
赤血球の特徴
・内部にヘモグロビン(血色素)があります。血液が赤く見えるのはこのためです。
・核がありません。
・円盤状で、中央がくぼんでおり、表面積を広くしています。
酸素ヘモグロビン
酸素を受け取ったヘモグロビンのことです。ヘモグロビンは、肺で酸素を受け取り、血管を巡って体内の細胞に酸素を届けます。
赤血球の寿命
赤血球の寿命は、約4ヶ月です。
ガス交換
ヘモグロビンが肺で酸素を受け取る → 酸素ヘモグロビンが体内の細胞に酸素を渡す → 細胞から二酸化炭素を受け取る → 受け取った二酸化炭素が重炭酸イオンになったものを肺に戻す → 肺から新しい酸素を受け取る
この一連の流れのことを、ガス交換といいます。
貧血
ヘモグロビン色素が足りなくなることを貧血といいます。
白血球
白血球は、血球の中で唯一、核を有します。
体の免疫機能をつかさどり、外部から体内に侵入してきた細菌やウイルスから、体を防御する役割があります。普段は球体をしていますが、敵が来るとアメーバ状に変化します。
白血球の分類
白血球はまず、多核白血球(顆粒球)と単核白血球に分けられます。さらに、以下のように枝分かれします。
【多核白血球(顆粒球)】
・好中球(食作用)
・好酸球(即時型アレルギー)
・好塩基球(即時型アレルギー)
【単核白血球】
・単球(マクロファージ)(食作用)
・リンパ球(免疫反応)
さらに、リンパ球は以下の通りに分かれます。
・T細胞(細胞性免疫に関与)(抗体をつくる指示を出す)
・B細胞(体液性免疫に関与)(抗体をつくる)
血小板
血小板は、血液凝固を担当しています。外的に損傷し流れ出る血液を止めるため、血管の穴を塞いで止血する役割があります。
【次号】循環器系と一問一答・過去問チェック
本記事では、血液・循環器系のうち、「血液」について詳しく見てきました。次回の循環器系は、理解につまずく人が多い、少し厄介なところです。できる限りわかりやすく説明しますので、ぜひ、お楽しみに!