これから美容師を目指す人や現役の美容師さんの中には、どのようなキャリアを選択できるのか、悩んでいる人、迷っている人もいるのではないでしょうか?
美容師という職業を中長期的に見て、どのようなキャリアを築いていけるのか?美容師として生涯生きていくにはどのような道があるのでしょうか?
1人前の美容師になるまで
ここで1人前とは、「お客様の髪を切るスタイリスト」ということとします。
1.美容学校へ入学・卒業
まずはなんといっても美容学校へ入学しなければなりません。
美容学校は、高校を卒業してから入学する専門学校と、高校生活を3年間送りながら、高校卒業資格と美容師免許の両方を取得できる高等専門学校があります。
専門卒でも、高専卒でも、美容室に入社してしまえば、スタートはほぼ一緒です。
2. アシスタントとして美容室へ入社
1.雇用形態
多くの場合は、正社員アシスタントとして雇われながら、技術の研鑽に励むことになります。
業務委託やパートのアシスタントという職種はほぼないと思いますが、「スタイリストにならないスーパーアシスタント」として雇う場合が近年、ちらほら求人広告で見かけるようになりました。
2.給与
初任給はおおよそ、16~22万と会社によって幅広いです。
3.業務内容
一番は、シャンプーやカラーの塗り、パーマ、ブローなどのスタイリストの業務の補佐です。営業時間外に、技術の練習を行います。実践と練習を繰り返し積むことで、技術が身についていきますので、下積み期間は、美容師人生の中で、最も大変かもしれません。
一般的に、2~5年がアシスタント期間と言えるでしょう。
3. スタイリストとしてお客様をもつ
各サロンの規定により定められたテストを経て、スタイリストとしてデビューします。
1.雇用形態
デビューしてからしばらくは、正社員として入客することが多いでしょう。
正社員雇用の方がお店が集客してくれてたりと入客チャンスが多いです。
また数年の経験を積んだ後、業務委託やパートのスタイリストで転職する人も増えてきます。
2.給与
給与は会社によって様々ですが、スタイリスト基本給22~25万円位のところが多いようです。
トップスタイリストともなると、月収50万円以上の人も出てきます。
3.業務内容
美容師として一連の業務をすべてこなします。また、正社員の場合は、アシスタント教育も入ってくるでしょう。その他、運営面で材料管理などの雑務をやる場合もあります。
4.ヘアメイク師になる
へアメイク師とは、美容師とへアメイクアーティストの両立を叶えた職種です。
美容室で正社員として雇用され、サロンの現場で、アシスタント技術を体得していく傍ら、ヘアメイクの本格的なレッスンも行います。
今まで、へアメイクアーティストになりたい人は、「美容室で実務経験3年以上を経て、ヘアメイクさんに転職」というルートを辿る人が多かったですが、ヘアメイク師育成サロンでは、正社員として安定した雇用の中で、技術を身に着けることができるようになりました。
雇用形態・給与は、上記アシスタント・スタイリストと変わりません。
参考記事:
業務内容
アシスタント・スタイリストともに、サロンでお客様を担当する傍ら、へアメイクの現場があれば、そこに飛んでいくという働き方になります。
美容師として顧客を持ちたい気持ちと、ヘアメイクをやりたい気持ち両方を叶えた働き方です。
会社組織の中のキャリア
スタイリストとして中堅からベテランとなってきたとき、組織に属している中で、どのような役職があるのでしょうか?
1. 主任やチーフという役職をもつ
主任やチーフは店長の補佐的な役割を担います。
1.雇用形態
一般的に、役職を担うということは正社員としての雇用となるでしょう。
2.給与
基本給+役割給が発生しますので、30万円前後が相場のようです。
3.業務内容
スタイリストとしての美容師業務はもちろん、運営面の補佐の他に、スタッフと店長・オーナーとの間に入る懸け橋のような役割があります。
2. 店長になる
店長は店舗の総責任者です。運営にも近く、売上管理や営業戦略、人材育成などを担っていきます。
1.雇用形態
店長職を担うということは正社員としての雇用となるでしょう。
2.給与
基本給+役割給が発生しますので、30万円前後〜が相場。地域や売上によって大きく変わってくるようです。
3.業務内容
スタイリストとしてお店に出て、売上を立てる傍ら、店舗の運営に大きな影響を持っているのが店長です。スタッフを一丸となって引っ張って行く統率力が必要と言えるでしょう。また、人望が厚い人ほど、スタッフがまとまり運営が巧くいくことでしょう。
3.ディレクターになる
ディレクターとは、多くのお客様に支持をされる高い技術を持っているスタイリストで、売上の貢献度も高いです。
1.雇用形態
役職を担うということは正社員としての雇用となるでしょう。
2.給与
店長と同じく基本給+役割給が発生しますので、30万円前後〜が相場。地域や売上によって大きく変わってくるようです。
3.業務内容
スタイリストとして売上を立て、技術力の保持や人材・後進の育成も担います。
4.エリアマネージャーになる
エリアマネージャーとは、複数店舗を持っている美容室の店長たちの上の立場です。
スタイリストとして活躍する者もいれば、現場から離れて従事する人もいると思います。
1.雇用形態
役職を担うということは正社員としての雇用となるでしょう。
2.給与
店長と同じく基本給+役割給が発生しますので、30万円前後〜が相場。地域や売上によって大きく変わってくるようです。
3.業務内容
スタッフ管理や店舗の運営について、店長たちと綿密に連絡を取り、経営・運営に大きな影響がある役職です。売上の管理や利益の上げ方など、勉強する必要もあるでしょう。
独立する
1.自分でお店を出店する
「将来は自分のお店を持つ」ということを目標にしている人も多いかと思います。
独立するということは、開業資金の確保や経営ノウハウなど、美容師スキルとは違った面も学ばなければなりませんが、「自分好みの店舗」が作れるので夢が広がりますね。
2.フリーランス美容師になる
店舗を構えるのでなく、業務委託や面貸しなどのフリーランスとして働く人も増えてきています。
給与は、正社員時代より「稼げる」という人もいれば、「それなり」という人もいます。
基本的に、集客は自分ですることが多いでしょう。契約によっては、店舗が集客してくれることもあります。
大きなメリットは自由度です。正社員美容師は、店舗運営やアシスタント教育など、時間的拘束が長くなりがちです。フリーランスは、個人事業主ですので、店舗・スタッフといった煩しさはありません。
デメリットは、集客面・収入の不安定さ・税金などの手続き等を自分ですることなどです。
1.訪問美容師になる
訪問美容師とは、病気の方や、高齢の方たちのように美容室にいけない人のために病院や施設、個人宅に直接訪問して施術をする美容師のことです。
高齢化社会の中で、需要が高まっています。
2.へアメイクアーティストになる
今若い美容師の卵たちから、とても人気のある職種です。
前出の「ヘアメイク師」と違い、正社員というよりは、へアメイク事務所に所属するか、フリーで仕事を得るなど、個人事業主として活躍する人が多いようです。
給与は、行う仕事によって様々ですが、芸能人の専属へアメイクともなると1日拘束で10万と高額な仕事もあれば、ローカルなロケなどでは5000~30000円程の現場などもあります。
収入には波があると言えるかもしれません。
また、ウェディング専門ヘアメイクで活躍する人も増えてきています。
ウェディングは高単価な為、利益が得やすいです。また、昨今はフォトジェニックにこだわる傾向にあるため、結婚式本番よりも写真にお金をかけるお客様も多いので市場は大きくなっています。
転職する
同じ美容業界でも、美容師ではない職種に転職する人もいます。
1. アイリストになる
まつ毛パーマやまつ毛エクステを施術する仕事です。美容師免許を必要とする職なので美容師のセカンドキャリアとして、女性に人気があります。
2.美容ディーラーになる
美容系メーカーやディーラーに転職する人もいます。美容師免許保持者枠も企業によってはありますので、資格を活かすことができます。
どんなキャリアビジョンを描きますか?
美容学校を卒業するときは、まだスタイリストになることまでしかイメージできない人も多いかと思いますが、仕事をするということは生活上、長く続いていくことです。
資格を取って、技術を身に着けて、ひと花もふた花も咲かせられるといいですよね。
美容師としてのキャリアの積み方は、考えれば様々な道があります。正社員、フリーランス、独立、資格を活かした転職…
自分らしい美容師人生になるように、長期的に考えられるといいですね!