【美容師の働き方】雇用形態ごとのメリットとデメリット|正社員とフリーランスは何が違う?

美容師の働き方は雇用形態によってメリットとデメリットがあります。

正社員、フリーランス、パート、アルバイト・・・
ひとえに美容師と言っても、様々な働き方があります。

スタイリストとして一定の技術を習得したのち、どのような働き方が自分に向いているのか。ここでは正社員雇用とフリーランス、それぞれのメリットとデメリットを比べてみたいと思います。

目次

1. 正社員で働いていれば、安心か・・?

安定感があるのは、やはり「正社員」という認識で良いと思います。他の雇用形態に比べて、固定給があり、社会保険が完備されているサロンも多くあります。ですが、美容室という特性上、指名売上などから発生する歩合により給与は変動するでしょう。

サロンによっては固定給を少なめに設定して、残りのお給料は歩合制にしている会社もあるので正社員だからといって安定が保証されるわけではりません。契約の際には条件をしっかり確認しておくことは大切です。

1. 正社員のメリット

①「毎月一定の給与」

正社員として雇用されていれば、毎月決まった額の「基本給」が支給されるので、万が一病気や怪我で入院することになってしまっても、毎月一定の給与が確保されています。
収入額の差でいえば、正社員の基本月給が約22万円と言われているのに対し、フリーランスの人はお店の売り上げ次第では月に約50万円、アルバイトでも20万以上稼げる人もいるとのことですが、自身が体調を崩して働けなくなった場合、フリーランスやアルバイトで活躍している美容師はその期間収入がゼロになってしまいます。

②保険や税金などの手続きが比較的楽

正社員の場合には企業が「年末調整」で所得税を計算し、納税を完結してくれます。その他保険料の支払いなども給料から天引きして支払ってくれるサロンが多いですし、正社員の美容師は雑務に時間を割く必要がなく、安心して仕事に専念することができます。

③キャリアアップを狙える

ひとりで働くのではなく組織に属していることで、管理職に付き、幹部になるというようなキャリアを築いていくことも正社員雇用でなければ出来ません。生涯プレイヤーとして働いていくのか、教育やマネジメントについてキャリアを形成していくのか、美容師としての能力の活かし方や働き方も、年齢を重ねるごとに多様化していきます。組織の中で成長していく環境が得られるのは、正社員ならではではないでしょうか。

補足:正社員のメリットを一番に感じたのは、2020年のコロナショックといってもいいかもしれません。フリーランス美容師たちは、仕事ができない間、収入は激減し給付金などの申請も分かりづらく大変だったことでしょう。今後も、同じようなことが起こらないとは言えませんので、「安定感・安心感」を望む人は正社員をおすすめします。

2. 正社員のデメリット

基本給という安定した良さの半面デメリットもあるでしょう。

①歩合率の設定は低いところが多い

給与は、安定した額がもらえる反面、フリーランスに比べて報酬アップはしずらい傾向にあります。たとえ、売上が0でも確保されている基本給があるので安心ですが、売上が上がってきたときにも、ひとりひとりの給与に還元されにくいようです。

②勤務時間や拘束時間に縛りがある

正社員の場合はサロンに合わせる必要があります。フリーランスやパートは、お客様が来る時間のみの勤務や、時間で区切られて働いているので、比較的自由度は高いでしょう。

子育て中などは、時短制度を取り入れたりしているか、体制が整っているかなどは注視する必要があります。

2. 自由に働けるフリーランス美容師は本当に幸せか?

フリーランスとはサロンに雇われるのではなく、独立してサロンと契約する働き方のことです。フリーランスには主に「業務委託」と「面貸し」という2つの形態があり、売上がサロンと美容師、どちらに依存するかという点で異なります。

【業務委託とは・・・】サロンに売上が入り、その中から美容師に報酬が支払われる契約で、この報酬は歩合によって異なります。美容師とサロンは対等な立場で契約を交わすことになるので、報酬の交渉をすることも可能です。

【面貸しとは・・・】サロンのお客さんの入らない空いた時間や余っている席を他の美容師さんに場所のレンタルをすることです。報酬は、直接お客様から頂いた額が入ってきます。その中からサロンに場所代、薬剤などを支払います。

どちらも「個人事業主」としての働き方のメリットとデメリットを見ていきましょう。

1. フリーランスのメリット

①働く場所や勤務時間の自由度が高い

サラリーマン美容師に比べて、時間的な拘束もなく、好きな時に好きな場所で働けることは、とても魅力的です。空いた時間に、家事や育児をこなしたり、有効的に時間を使えます。

②報酬額のアップ

「1件の単価を高くできる」点と「経費が少ない」という点から収入アップに繋がりやすくなります。

フリーランス美容師の価格設定はある程度自由なので、自分の腕に自信があればどんどん値段を上げられます。

経費も場所代を支払えばいいだけなので、サラリーマン美容師のように、カット代に運営資金や他のアシスタントへの給料などが含まれることもありません。

③初期費用がかからない

独立という形でひとりで出店するよりは圧倒的にコストが安くすみ、初期費用はかからず固定費も抑えた形で、自分好みの働き方ができます。

④人間関係が楽

サロンと対等な立場での契約になりますので、煩わしい人間関係も比較的解消しやすい点も一つのメリットとしてあげられています。サロンオーナーとは、関わりを持つことになりますが、他のスタッフとは、特別やり取りする必要がほとんどありません。

自由に働けて、報酬もアップ!フリーランス美容師は、理想の働き方に見えるかもしれませんが、実はデメリットとなる要素もしっかり把握しておかないといけません。

2. フリーランスのデメリット

①確定申告

フリーランスの場合は、個人事業主として所得税の確定申告を自分でしなくてはいけません。

サラリーマン美容師であれば、「給与所得控除」が受けられますが、フリーランスはありませんので税金は高くなります。

収入は増えても、収める税金や保険料が上がることは、しっかりと念頭におかねばなりません。

②収入の担保がない

安定した収入が保障されないので、病気や怪我、また子供が発熱したなどで休む時はそのまま収入が減ってしまいます。

③集客は自分で

集客も契約次第では自分でしなければならいないので、通常でも自然失脚として10%はお客様が減っていってしまいますから、稼げる可能性がある反面、収入が減っていってしまう可能性があることも知っておくべきです。

④社会的信用が低い

クレジットカードが作れなかったり、住宅を借りる際の審査に通らなかったりと、フリーランスだからと断られてしまうケースも少なくありません。

メリットとデメリットを把握したうえで「働き方」を考えよう

新卒入社であれば、教育体制がしっかりと受けられる正社員雇用が一番です。また、集客能力や、経費の計算などに不安があれば、正社員の方がいいかもしれません。

産休育休を取りたいという想いがある方も、正社員雇用でないと受けられないので注意です。

反対に、自由な働き方を自分で管轄したい、美容師以外のことも両立してやりたいなどがあれば、フリーランスのメリットを活かすこともできるでしょう。「収入がUPする」以外の理由を持っていなければ、安心できる後ろ盾がないので、フリーランスとして失敗してしまうかもしれません。決断は慎重にすることをおすすめします。

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この記事を書いた人

abie hair在籍。株式会社カプラスの採用担当として、企業説明会や学校訪問など採用活動の全般に携わってきた経験を活かして、美容室採用のノウハウを配信していきます。

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