美容師国家試験は難しい?内容合格率・実技や筆記の詳細・受かるコツなど徹底解説!


美容師国家試験は難しいのか?受かるのか?を知りたい方へ。

本記事では、美容師免許を取得するために知っておきたい試験の内容や合格率から、合格するための勉強法やポイントまで解説します。

目次

美容師国家試験の概要|2023年は日程は?合格日は?費用は?

美容師免許を取得するために必要なのが、美容師国家試験です。

これから美容師国家試験受験を目指す人のために、2023年の美容師国家試験の試験日程や実技内容、費用、合格率などを解説します。日程がいつか、合格基準は何か知りたい人はぜひ参考にしてください。

2023年の美容師国家試験の日程は?

2023年の美容師国家試験の具体的な試験日程は、実技試験が令和5年2月1日(水)からで、筆記試験が令和5年3月5日(日)と発表されています。例年いつごろ試験が実施されるかと言えば、春期と秋期の年2回開催です。春季は通常1月下旬~2月上旬に実技試験を、3月上旬に筆記試験を行っています。秋期は通常7月下旬~8月上旬に実技試験を、9月上旬に筆記試験を行っています。

近年では、新型コロナウイルス感染症の影響で試験日程の延期や中止となる場合もあります。変更等がある場合には公益財団法人理容師美容師試験研修センターの公式サイトから発表されますので、こまめにチェックしましょう。

2023年の合格発表日は?

美容師国家試験の合格発表日は、例年なら春季が3月下旬から、秋季が9月下旬からです。2023年分は令和5年3月31日(金)と発表されています。合格発表は、公益財団法人理容師美容師試験研修センターの合格発表ページに番号が掲示されます。

さらに、当該する美容師国家試験の受験申込者全員を対象に合格発表日に公益財団法人理容師美容師試験研修センターから通知が発送されます。

美容師国家試験の試験会場は?


美容師国家試験の試験会場は以下の通りです。

  • 実技試験…滋賀県を除く各都道府県
  • 筆記試験…北海道、岩手県、宮城県、群馬県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、愛知県、大阪府、岡山県、広島県、愛媛県、福岡県、鹿児島県、沖縄県で実施

具体的な試験会場は、申込者へ送付される受験票に記載されています。

美容師国家試験の受験費用は?

美容師国家試験の受験費用は、受験手数料として以下がかかります。

  • 実技試験及び筆記試験(両方)受験する場合:25,000円
  • 実技試験(のみ)受験する場合:12,500円
  • 筆記試験(のみ)受験する場合:12,500円

受験する試験の内容によって費用が異なります。必要な費用を期限内に払い込みましょう。

美容師国家試験の受験資格は?

美容師国家試験を受けるためには、以下の1または2の受験資格を満たさなければいけません。

  1. 美容師法に基づく厚生労働大臣または都道府県知事の指定した理容師・美容師養成施設で、次の課程を修了した人

・昼間課程 2年以上
・夜間課程 2年以上
・通信課程 3年以上

2. 美容師法に基づく厚生労働大臣または都道府県知事の指定した理容師・美容師養成施設で、次の課程を修了した後、1年以上の実地習練を経た人

・昼間課程 1年以上
・夜間課程 1年4カ月以上
・通信課程 2年以上

また、入学時期と1年以上の実地習練終了時期も受験資格として限定されています。合わせて確認しておきましょう。

過去の合格実績により一部免除が受けられる

美容師国家試験を過去に受験した経験があり、一部試験を合格している場合は免除措置が受けられます。
該当するのは以下の通りです。

  • 実技試験及び筆記試験の両方を受験し筆記試験のみに合格した場合、申請をすれば次回の試験に限り筆記試験の受験が免除となる
  • 実技試験及び筆記試験の両方を受験し実技試験のみに合格した場合、申請をすれば次回の試験に限り実技試験の受験が免除となる
  • 理容師または美容師の免許を受けた人は、申請により理容技術理論または美容技術理論を除く筆記試験が免除となる

美容師国家試験の試験内容|筆記試験と実技試験の詳細は?

美容師国家試験に合格するには、筆記試験と実技試験両方に合格しなければいけません。試験内容を把握したうえで、受験対策をしっかり行いましょう。

美容師国家資格の筆記試験と実技試験、それぞれの具体的な試験内容について解説します。

試験内容1. 筆記試験|7つのジャンルが出題される

美容師国家試験の筆記試験は、以下の7つの試験課目から出題されます。

  1. 関係法規・制度
  2. 衛生管理
  3. 保健
  4. 香粧品化学
  5. 文化論
  6. 理容技術理論(美容技術理論)
  7. 運営管理

さらに7つの課目を以下5つの分野に絞り込んだうえで、以下の問題配分にて合計55問が出題されます。

  1. 関係法規・制度及び運営管理 10問
  2. 衛生管理 15問
  3. 保健 10問
  4. 香粧品化学 5問
  5. 文化論及び理(美)容技術理論 15問

各課目の留意事項および重点事項は、以下の通りです。

1.「関係法規・制度及び運営管理」
【留意事項】
問題は、理容及び美容共通
【重点項目】
① 関係法規・制度
・ 理(美)容師法
・ 生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律
・ 保健所の役割
・ 衛生行政
・ 政策金融の意義と仕組み
・ 消費者保護の仕組み
② 運営管理

2.「衛生管理」
【留意事項】
問題は、理容及び美容共通
【重点項目】
① 公衆衛生・環境衛生
② 感染症
③ 衛生管理技術

3.「保健」
【留意事項】 問題は、理容及び美容共通
【重点項目】
① 人体の構造及び機能
② 皮膚科学

4.「香粧品化学」
【留意事項】
問題は、理容及び美容共通
【重点項目】 従来の理・美容の物理化学のうちの香粧品化学

5.「文化論及び理容技術理論」及び「文化論及び美容技術理論」
【留意事項】
理容及び美容それぞれ別問題
【重点項目】
① 理・美容技術理論
・理・美容技術理論
・まつ毛エクステンション(美容のみ)
・理・美容器具
・色彩及びデザイン
② 文化論(「別表2文化論」参照)

試験内容2. 実技試験|カッティングとセッティングがある

美容師国家試験の実技試験は、国家試験用に指定されるモデルウィッグを使用して課題実技に取り組みます。実技試験の課題は、第1題のカッティングと、第2課題のオールウェーブセッティングまたはワインディングです。

実技試験では、指定されたモデルウィッグを使用しなければいけません。実技試験に適合したモデルウィッグには、型番番号と会社名が記載された「美容師実技試験カット用標準仕様適合シール」が貼り付けられています。

カッティングはレイヤーカットを20分以内にできるかどうかの試験

カッティングの実技試験は、以下の流れで行われます。

  • モデルウィッグの審査
  • 準備(7分)
  • カッティング試験(20分)
  • モデルウィッグの顔面拭き取り(1分)
  • 審査

実際にモデルウィッグにレイヤースタイルをカットして行います。レイヤースタイルは、上が短く、下へいくほど長くなるカッティングでも基本となる技術です。準備、実技試験ともに指定の時間内に済ませなければいけません。

準備では、除菌用ウェットティッシュや雑巾、汚物入れなど必要な物を机の上にセットする、作業前に除菌ウェットティッシュで手指を消毒すること、使用するもの以外は机の上に乗せないことなどが求められます。

セッティングは「ワインディング」か「オールウェーブ」が出題される

セッティングはワインディングまたはオールウェーブが出題されます。第47回美容師実技試験の第2課題は、ワインディングです。セッティングの実技試験の流れもカッティングと同じくモデルウィッグの確認、準備、セッティングの実技、モデルウィッグの顔の拭き取り、審査の順番です。

準備に7分、セッティングの実技20分の時間も同じで、時間内に準備及びセッティングの実技を完了させなければいけません。セッティングの準備は、カッティングで使用した道具類を収納、手指を消毒、セッティングの実技で使用する道具を出す、モデルウィッグの頭髪を濡らす、または梳かすの順序で行います。

セッティングの実技内容は、ワインディングまたはオールウェーブです。どちらの課題が出題されるかは、官報または美容師国家試験概要にて公表されます。

ワインディングで受かるポイントが、ブロッキングです。ブロッキングの構成や配置をしっかりおさえておくことに加えて、以下のポイントを意識しましょう。

  • ロッドのつながり及び配列
  • ステムの角度と方向性
  • シェープの状態
  • 輪ゴムのかけ方
  • 全体のつながり

オールウェーブでの受かるポイントは、以下の通りです。

  • フィンガーウェーブ
  • ピンカール
  • ピニング
  • ウェーブの割れ
  • ローションの固さ
  • 全体のつながり

美容師国家試験は難しいの?合格率や難易度を解説します!

美容師国家試験に受からなければ、美容師免許は得られません。美容師国家試験の難易度が気になるという人も多いでしょう。次に、美容師国家試験の受験者数やコース別の合格率、合格基準をふまえた合格率や難易度について解説します。

美容師国家試験の合格率はどのくらい?受験者数は?

過去5回の美容師国家試験の受験者数と合格率を以下にまとめました。受験者数、合格率ともに秋季の方が高くなっています。

第40回美容師国家試験
受験申込者数 5,432人
受験者数 5,134人
合格者数 2,982人
合格率 58.1%

第41回美容師国家試験
受験申込者数 17,591人
受験者数 17,288人
合格者数 14,709人
合格率 85.1%

第42回美容師国家試験
受験申込者数 5,076人
受験者数 4,853人
合格者数 2,993人
合格率 61.7%

第43回美容師国家試験
受験申込者数 18,386人
受験者数 18,107人
合格者数 15,502人
合格率 85.6%

第44回美容師国家試験
受験申込者数 5,057人
受験者数 4,774人
合格者数 2,871人
合格率 60.1%

専門学校の全日制と通信制コースで合格率は変わるの?

美容師国家試験の受験資格を満たすには、美容師養成施設に通わなければいけません。全日制の専門学校に通う方法と、通信制コースを受講する方法があります。

美容師国家試験の合格率が秋季の方が高い理由のひとつに、全日制の専門学校に通った受験者が多くいることがあります。とはいえ通信制コースでは美容師国家資格に受かる可能性は低いか、ということではありません。

通信制コースは自宅での教材学習が中心で、実技は美容師学校へ行くスクーリングにて行います。自分で計画的に勉強をしなければいけないためモチベーションを保つのが難しく、全日制専門学校よりも合格率が低くなる傾向にあるのです。

美容師国家試験の合格基準・合格ラインは?

美容師国家試験は筆記試験、実技試験それぞれで合格基準が決まっています。それぞれの試験で合格をしないと美容師免許は得られません。合格基準をふまえて試験突破を目指しましょう。

美容師国家試験の筆記試験、実技試験それぞれの合格基準について解説します。

筆記試験の合格ライン

筆記試験では、以下の1および2の合格基準を満たすことで合格となります。

  1. 55問中60%以上の正答率であること
  2. 関係法規・制度及び運営管理、公衆衛生・環境衛生、感染症、衛生管理技術、人体の構造及び機能、皮膚科学、香粧品化学、文化論及び美容技術理論のいずれの課目においても無得点がないこと

また、理容師免許をすでに持っていて美容技術理論のみの受験申込者は、美容技術理論12問中7問以上の正答数である場合に合格となります。

実技試験の合格ライン

実技試験では、以下の1および2の合格基準を満たすことで合格となります。

  1. 衛生上の取扱試験の減点が20点以下であること
  2. 基礎的技術試験にて、以下の①及び②の両方の条件を満たしていること
    ① 第1課題 カッティングの減点が30点以下であること
    ② 第2課題 ワインディングまたはオールウェーブの減点が30点以下であること

実技試験は、美容師としての技術力のほかに衛生上適切な取り扱いができているかも合格基準となっています。衛生上の取扱試験とは、清潔な身だしなみや衛生面における用具類の取扱などが審査の内容となっています。

美容師国家試験で合格するためのポイントは?

美容師国家試験の受験チャンスは、年に2回しかありません。美容師免許を取得してスムーズに美容師として働くには、美容師国家試験に合格するためにしっかり対策や準備をしておくのが重要です。

美容師国家試験で合格するためのポイントを解説します。

ポイント1. 実技試験の審査基準をよく確認しておく

美容師国家試験の実技試験には、審査員からの審査基準が決まっています。実技試験はもちろん、衛生試験でも審査基準を満たさなければ合格にはなりません。実技試験、衛生試験両方の審査基準について確認しておきましょう。

実技試験はカッティングとセッティング、セッティングの場合はワインディングまたはオールウェーブの審査基準を踏まえておかなければいけません。課題ごとの基準を確認しておくのも重要です。

ポイント2. 衛生面への配慮して試験に望む

実技試験の中には、衛生試験が含まれています。衛生試験では、美容師として衛生面での配慮が行われているかどうかが審査基準となります。理容師法と美容師法、両方の最大の目的が公衆衛生の向上であると定義されているためです。

美容師国家試験では、試験監督である衛生員が衛生面への配慮をチェックしています。美容師としての身だしなみや手指の消毒、道具の取り扱いなど、衛生面に配慮した対応ができるようにしておきましょう。

ポイント3. 筆記試験は過去問を繰り返し解く

美容師国家試験は、実技試験だけでなく筆記試験も出題されます。筆記試験は全55問で、60%以上が合格基準となっています。美容師国家試験の筆記試験対策方法として有効なのが、過去問題を繰り返し解くことです。

過去問は市販の問題集を購入するほかにも、公益財団法人理容師美容師試験研修センターにて過去問が公開されています。過去問とともに正答も公表されていますので、ぜひ試験勉強に活用してみましょう。

ポイント4. 試験当日は体調を整える

美容師国家試験では新型コロナウイルス感染症対策のため、試験当日以下の状態にある場合受験ができません。

  • 新型コロナウイルスに罹患している
  • 37.5度以上の発熱がある
  • 息苦しさや強い倦怠感がある
  • 新型コロナウイルス感染者との濃厚接触があり、保健所から外出制限を求められている

新型コロナや風邪などの病気でなくても、疲れや睡眠不足による体調不良にも注意しましょう。本番に自分の力を十分に発揮できません。

美容師国家試験で不合格になったらどうなるの?

美容師国家試験に不合格になってしまったら、次の試験に向けての対策をしつつ、就職先の美容室を探しましょう。美容院や美容室では、美容師免許がなくても働けるところはあります。

もちろんスタイリストとしてハサミを持つことはできませんが、シャンプーやアシスタントなどの下積みの技術を学んでいきます。これは、美容院や美容室に入った人はかならず通る道です。下積みをしながら、次の美容師国家試験に向けての勉強や、実技試験対策を行いましょう。

筆記試験と実技試験、どちらかが合格になっていれば次回は免除されます。不合格になってしまったポイントをふまえて、美容師免許の取得を目指しましょう。

美容師への第一歩は美容師国家験の合格から

美容師免許取得のために必要な、美容師国家試験はいつ実施されるのかに加えて、受験資格、合格率や難易度、筆記試験や実技試験の内容、試験に受かるためのポイントを解説しました。

美容師国家試験は筆記試験と実技試験がありますが、きちんと勉強や対策をしておけば取得することは難しくありません。全日制の専門学校に通う以外でも、社会人なら通信制の講座を受講して美容師国家試験を目指す方法もあります。美容師国家試験を突破して、美容師としての第一歩を踏み出しましょう。

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この記事を書いた人

CARINO編集部です。美容師さんやヘアメイクアーティストさんに役立つコンテンツを発信します。

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