最近になってから流行りだしたようにみえるメンズメイクですが、実は、男性がメイクをするものではないと考えられていた時代の方が歴史的には短いのだとか。この記事では、現代のメンズメイクに至るまでにどのような歴史があったのか、現代のメンズメイクはどのような特徴があるのかを、詳しくご紹介します。
近頃のメンズメイクの需要について

近頃当たり前になりつつあるメンズメイク。SNSの普及により写真や動画などで自分を表現したり、コロナ禍以降リモートワークをするようになって、画面に映る自身の肌や眉などが気になるようになったりという男性が増えました。マスクをするようになってからマスクの下はあまりメイクをしなくなったという女性が増えた反面、男性のメイク需要は以前より高まりました。
最近ではマスクを外すようになり、男性女性共にメイクへの関心が高まっているように思います。
メンズメイクの始まりと歴史
令和の時代に入ってからようやく、メンズメイクが特別なものではなくなってきたように感じますが、古くからメンズメイクは行われていたようです。
以下のような意味が込められていました。
- 宗教や魔除けとして
- 権威の象徴として(墨や紅もお金がないと買えないため、上流階級の特権とされていた)
- 社会的状況を区別するため(既婚女性はお歯黒を入れたり罪人に入れ墨をいれたり)
- アイブラック(目の保護のためアイラインやアイシャドウを施していた)
古代日本では男女ともに肌を赤く塗るという風習があったようですが、本格的にメンズメイクが始まったのは平安時代からです。
平安時代のメンズメイク
肌を白く塗り、唇に赤い紅、眉は全て抜いて墨で太く描くのが特徴です。元々は貴族女性の間でされていたメイクが男性も同じようにされるようになりました。
平安後期〜鎌倉時代のメンズメイク
武士の間でも威厳を保つ意味合いで平氏はメイクをしていましたが、すっぴんを貫いていた源氏が戦に勝ってからは、武士の間でメイクが一時途絶えます。その後メンズメイクが復活するのは室町時代に入ってからです。
室町時代のメンズメイク
メンズメイクは身分の高さである権力を示すものだったため、中流から上流階級の男性は日常的にメイクを施していたようです。
明治時代のメンズメイク
江戸時代あたりから細眉に整えるようになり白塗りなどは無くなっていき、明治時代ではそれまでのお歯黒や眉剃りなどの風習は否定され、新たに欧米風のスタイルが主流になっていきます。
美しい髭が紳士の身だしなみとされ、髭を伸ばすことが流行。男性がメイクをすることはタブーとされました。
現代のメンズメイク
男性が化粧をしなくなってからおよそ100年近く経ち、ここ数年でメンズメイクが復活。韓国アイドルやジェンダーレスの風潮、SNSの影響が大きいと言えます。
肌を綺麗に見せる、トーンアップさせる、色むらやくすみ・ニキビなどの肌荒れをカバーする目的で、ファンデーションやコンシーラーを使用する男性が増えました。あくまでもナチュラルに仕上げることがポイントで、シェーディングとハイライトで骨格修正を行い、顔に立体感を出します。
目元は肌馴染みのいいカラーを使用し、まつ毛のキワを埋めることで自然に目力をアップさせます。リップは血色をよく見せるカラーを使用しますが、激しく主張することはありません。
最近ではアイブロウ専門のサロンで眉を整える男性や、ヒゲ脱毛をする男性も増えています。InstagramやTikTokなどのSNSを参考にしてメイクを始める方も多く見られる印象です。
歴史の流れとともに意味が変化したメンズメイク
今回はメンズメイクの歴史と現代のメンズメイクについてまとめてみましたが、いかがでしたか?
遥か昔、身分や権威を表すために施されていたメンズメイクですが、今では男性的・女性的という枠にとらわれない”自分らしさ”を表現するためのものに変化しています。自分の個性を表現するための第一歩として、メイクを始めてみるのはいかがでしょうか。
