美容師×ヘアメイクについて知りたい学生さんへ。本記事では、ヘアメイク師の仕事内容ととある1日に密着したレビューを大公開!ヘアメイク師がどんな仕事をしているのか、どんな活動をしているのかについて、ぜひご覧ください。
【美容師×ヘアメイク】ヘアメイク師の仕事内容
美容師としても、ヘアメイクアーティストとしても活動するヘアメイク師。大抵の場合は、美容師としてサロンに出勤する日と、ヘアメイクアーティストとして現場に出勤する日に分かれます。ここでは、美容師として、ヘアメイクアーティストとして、それぞれでどんな仕事内容をこなしているのか、ひとりのヘアメイク師を参考にご紹介します。
美容師としてのお仕事
美容師として出勤するのは、美容室です。アシスタントの業務内容をこなします。美容師アシスタントの仕事内容は、主に以下のような内容が挙げられます。
・予約の確認、電話対応
・サロン営業前の準備、清掃
・薬剤やシャンプー、トリートメントなどの補充
・必要な道具の準備、セッティング
・カラー剤やパーマ液などの調合
・シャンプーやカラーのアシスト
・ドライの補助やブローなどのスタイリング
・床の髪の毛の掃き掃除
・お席のリセット、次のお客様の対応準備
・閉店後の清掃 等々
ざっくり挙げてもこれだけの項目があります。やることがたくさんあると感じる方も少なくないかもしれません。お客様をお待たせせずにご案内し、時間内にお帰りいただけるように時間配分を調整しながら全体を回します。また、スタイリストが作業しやすいように環境を整えたり準備、アシストをすることも重要なポイントです。考えることがたくさんあって大変な面もありますが、それだけやりがいを感じるお仕事です。
営業が終わったら、アシスタントとしての技術向上とスタイリストデビューに向けて練習に入ります。一人前の美容師としてデビューするまでに、たくさんの技術チェックがあるので、スタイリストさんからの評価やアドバイスを受けながら、合格にむけて各自取り組みます。
ヘアメイクアーティストとしてのお仕事
ヘアメイクアーティストは、依頼があった際に撮影現場に出勤します。依頼によって、どんな現場か、どんなモデルかはもちろんさまざまです。事前に共有されている撮影の内容をチェックして向かいます。
撮影の内容がドラマなどの長期の撮影の場合や映像の場合は、事前の打ち合わせから綿密に計画が進みますが、単発の撮影やスタイル写真撮影の場合は、事前の打ち合わせがザックリしていることもあります。どちらにせよ、現場での臨機応変な対応が求められるお仕事です。
ヘアメイクアーティストとしての仕事内容は主に以下のような内容が挙げられます。
・作品についての打ち合わせ
・依頼ヘアメイクイメージの擦り合わせ、イメージ共有
・現場に早めに出勤して、ヘアメイクの準備
・本番ヘアセット、メイク
・撮影中のヘアメイク直し、修正
ヘアメイクアーティストの仕事内容のみをあげれば、ヘアセットやメイクが主な項目です。しかし、ヘアメイクアーティストは、モデルへの細かい気遣いや、修正点に早く気づいて直す注意力、スケジュールや計画に変更があった際の臨機応変な対応力など、技術以外のたくさんの力が求められます。どの職業にも言えることですが、現場によって柔軟に仕事をするには一朝一夕で身につく力ではないので、たくさんの現場を経験するのが一番の練習です。
ヘアメイク師のとある1日密着レポート
ここからは、とあるヘアメイク師に密着して実際に見た1日の様子をご紹介します。この日の現場は、新成人を対象に開催された振袖撮影会でした。主な仕事内容は、ヘアメイクアーティストとしての項目。時々垣間見える美容師ならではの技術力が、とてもかっこよかったです。撮影会に同行した私の感想も含めて、見てみてください。
8:30 現場入り
この日の振袖撮影会は、モデルの集合が9時15分からでしたが、ヘアセットと着付けを担当するヘアメイク師は、準備のために早めに現場入りしていました。普段美容室で着付けも担当しているヘアメイク師さんなので、着付けもできちゃうんです。すごい!
9:30 着付け開始
振袖撮影会に参加したモデルさんは4人いて、私が密着したヘアメイク師さんが担当したのはそのうちの2人でした。最初に取り掛かったのは、1人目のモデルさんの着付けです。アシスタントもなく一人で全ての工程をこなしていました。モデルさんの希望に応えて完成した帯がこちら。
すごすぎて感動しました。
10:30 ヘアセット
先ほど着付けしたモデルさんのヘアセットに入りました。実は、このモデルさんのヘアセットは最初予定になかったのですが、急遽ヘアセットもすることに。いきなりのスケジュール変更でしたが、ヘアセットからメイク直しまで完璧に。ボリュームが気になるというモデルさんの悩みを考慮しながら、振袖にぴったりのヘアセットが完成しました。
11:00 撮影開始
いよいよ撮影に入りました。PCに映し出される画像を確認しながら、前髪や振袖を写真写りが良くなるように直します。モデルさんの気分が上がるような雰囲気作りも抜かりありません。さすがプロだと感じました。
11:30 2人目のモデルさんヘアセット
2人目のモデルさんが到着し、ヘアセットを開始します。肩上のボブスタイルをコテで巻いて、振袖のイメージに合うようにアレンジ。モデルさんとの会話を弾ませながら、たった30分足らずでヘアセットが完了していました。
12:00 着付け開始
本日2人目の着付けです。振袖のレンタル業者さんが選んでくださった帯は、振袖と合わせるとやや派手目な印象。モデルさん本人の希望もあって、できるだけシンプルに見えるようなアレンジを加えた帯を結んでいました。さすがプロ(2回目)
12:30 撮影開始
全てのスタイリングが完了したので、いよいよ撮影開始。ポーズに迷っている様子のモデルさんに対し、カメラマンをはじめとするその場にいたヘアメイク師さん全員が、指示を出したり場を盛り上げたり賑わっていました。もちろん細かい修正にも気を配るヘアメイク師さん。女の子が一番気にする前髪を特に、念入りにセットしていました。
13:00 全員集合写真撮影
モデルさん4人揃っての撮影です。その分修正もたくさんありますが、全体をよくよくチェックして手直しを加えるヘアメイク師さんには感動です。とっても素敵なお写真が、たくさん撮影できていました。
14:00 着替え
撮影も無事終わり、モデルさんは振袖から私服に着替えます。1人で脱ぐのは大変なので、ヘアメイク師さんもお手伝いしていました。セットした髪の毛は、振袖仕様から私服仕様に簡単アレンジ。モデルさんも満足げなご様子でした。全て済んだら、脱いだ振袖や襦袢などを丁寧に片付けます。ヘアメイクだけの仕事ではなく、裏方としてのお仕事も重要なのですね…。
14:30 終了
撮影会の全てが終了し、モデルさんたちは解散です。残ったヘアメイク師さんやカメラマンさんたちは、会場の片付けと掃除をします。全部終わって、解散です。
【筆者感想】
ヘアメイク師さんの仕事は、美容師としてサロンで培われる力と、ヘアメイクさんとして培われる力、全てが必要なのだと感じました。どちらか片方の経験だけではきっと成り立たないであろう技術や対応を間近で見ることができて、とても貴重な体験だったと感動しております。
ヘアメイク師のお仕事ってすごい!
美容師とヘアメイクアーティストの仕事内容、とあるヘアメイク師の1日密着レポートをご紹介しました。美容師とヘアメイクアーティストはそれぞれ独立して成り立っており、現場や働き方が異なります。それらを融合したヘアメイク師という働き方は、それぞれの職業の価値を高めあった新しい職業だと感じました。ぜひ、ヘアメイク師に興味を持っていただけたら嬉しいです。