【美容室のSDGs】AVEDA(アヴェダ)取組む持続可能な精神

目次

SDGsってなに?

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、国際社会共通の目標です。

2015年から2030年までの長期的な開発の指針として、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。この文書の中核を成す「持続可能な17の開発目標」をSDGsと呼んでいるのです。

AVEDAが取り組むSDGs|実際にどんなことをしてるの?

2015年SDGsが採択される前から、持続可能な活動をしている美容メーカーAVEDA(アヴェダ)の活動について、徹底解説していきます。AVEDA製品を取り扱っている美容室が、AVEDAの精神を取り入れ、どんな活動をしているのかということを、AVEDAの素晴らしい考え方を解説しながら、紹介していきます。

SDGsの取り組み1. 風力発電開発支援

AVEDAでは、以下の施設すべてにおいて、風力発電エネルギーを購入することで100%オフセット(相殺)しています。

・ミネソタ州の主要製造施設
・本社
・インスティテュート(美容学校)ミネアポリス校
・ニューヨークの直営エクスペリエンスセンター
・サロン
・インスティテュートで使用されるエネルギー
・第三者企業で製造しているエアゾール製品

また、以下に関連する温室効果ガス排出を相殺するため、系統連系の風力エネルギーや温室効果ガス排出クレジットを購入しています。

・米国の主要製造施設運営
・カナダでの化粧品製造
・エアゾール製品の製造・輸送・使用

このような活動は、SDGsの7と13に当てはまる活動と言えるでしょう。

SDGsの取り組み2. MNSTAR再認証取得について

ミネソタ州労働安全衛生局(Minnesota Occupational Safety and Health Administration、MNOSHA)プログラム(MNSTAR)は、国家労働安全衛基準の基本的順守以上の安全衛生管理制度を作るために管理者と雇用者が協力し、結果として業務上の怪我や病気が短期的・長期的に予防できている職場を認証する制度です。

MNSTARは1999年1月にミネソタ州全域に導入されました。これは、1982年に開始された国家労働安全衛生局の自主的保護プログラムを模範として作られたものです。

この認証を得ていることは、SDGsの3に当てはまるものと考えられます。アメリカに本社を持つAVEDAだからこそ獲得した認証です。

SDGsの取り組み3. アースデー月間

「製品づくりから社会還元まですべての活動を通して、命あふれる私たちの地球を大切に守り続けていく」という企業使命のもと、毎年4月に世界中のAVEDAサロン・スパ・ショップが一丸となって行う地球環境保全のための募金・啓蒙活動です。

2017年は世界中で約580万ドルの募金が集まり、110万人のためのきれいな水を守る活動に寄付。今年もさらにその活動を広げていきます。1999年から、世界40の国と地域に広がるAVEDAネットワークサロン約9,000店舗を通じて、約56億円*1の募金を集めました。2007年からは約49億円*1を集め、「きれいな水を守る」活動のため役立てられています。 *1 :1ドル116円で計算

このような活動は、SDGsの6と14に当てはまる活動と言えるでしょう。世界に約9,000店舗を持つAVEDAだからこそできる、大きな活動のひとつと言えるでしょう。

SDGsの取り組み4.動物たちとアヴェダ

AVEDAは動物実験をしないブランドです。

社内での動物実験はもちろん、第三者機関に委託することもありません。動物実験をしないブランドであるということは、自分たちの暮らす地球とそこに共存する生物を思いやるという、1978年の創設以来続くAVEDAの使命の重要な要素の一つです。

CERES原則に署名

1989年、AVEDAは民間企業として初めて、地球と“そこに住むすべての生物”の保護を訴えるCERES原則に署名しました。AVEDA製品はベジタリアン認証、ビーガン認証は受けていませんが、ほとんどのAVEDA製品は動物由来成分を使っていません。ごく一部の製品のみ、ビーズワックス、ハニー、ホエイプロテインなどの動物性成分が含まれています。

製造工場が野生動物の生息地域として認定

ミネソタ州ブレインにあるAVEDAの製造工場は、全米野生生物連盟(National Wildlife Federation、NWF)から野生生物の生息地域として認定されています。敷地内の野生生物保護のため、NWFと協力して“思いやり運転”の標識を作っています。

鳥類繁殖地の保護

ミネソタのオーデュボン協会とともに、ミネソタ州ブレインにある本社敷地内の鳥類繁殖地の保護も進めています。この協力事業では、エントツアマツバメやムラサキツバメのネストハウス、アメリカオシドリのネストボックス、ルリツグミのネストハウスの設置などを行っています。

絶滅危惧種保護法を支持

絶滅の危機に瀕する植物とその棲息地、そこに棲む動物たちを保護する草の根団体の支援も行っています。AVEDAのネットワークを介して過去10年集められたこのための募金は、800万ドル(約9億400万円)以上に上ります。2006年には、絶滅危惧種保護法を支持するため、関係者やお客様から50万筆以上の署名を集めて国連およびホワイトハウスに届けました。

このような活動は、SDGsの15に当てはまる活動と言えるでしょう。動物実験をしないAVEDAは、動物実験をする国に製品を販売しない徹底ぶりです。地球の豊かさを守るために、企業は見習うべき活動のひとつだと思います。

SDGsの取り組み5. ネパールの生活改善

AVEDAは過去9年間、ギフトボックスのラッピング用にネパールの伝統である手漉き紙、ロクタ紙を購入し続けています。この美しいネパールのロクタ紙には、単なる美しいラッピングペーパー以上の意味があり、ネパールのコミュニティの生活改善の手段となっています。

紙職人の生計を支援

2015年の春にネパールは大地震に襲われ、何百万もの人々が家や仕事を失いました。多くの人が移住を余儀なくされましたが、4,900人*1のロクタの手漉き職人が今も自分たちの土地に残り、生活を続けています。*1 2015年6月~2016年6月、AVEDAは紙調達を通して4,900人の紙職人の生計支援を行いました。

子供たちの就学の後押し

2007年に始まった彼らとの約束は、コミュニティの再建や生活の立て直しが完了し、子どもたちの就学期間が終了するまで維持されることになっています。ロクタ紙を調達し始めて9年、200万枚以上を購入し、雇用機会の乏しい遠隔地の村に5,500人分*3の雇用を創出してきました。驚くべきことに、製紙職人の90%は女性が占めています。彼女たちは自分たちのコミュニティにお金を送り、協同組合に貯蓄して将来に備えています。AVEDAがこの手漉き紙を購入することで、2,490世帯が直接便益を受けています。2007年以降、AVEDAがなければ学校に通えなかったであろう非常に貧しい家庭の子どもたち5,885人の就学も後押しています

野生動物の保護

ロクタ紙のためのパートナーシップは野生生物の保護にも繋がっています。Wildlife Friendly®認証紙を購入することで、レッサーパンダや絶滅の危機に瀕しているスノーレオパードなどが棲む42,000エーカーもの棲息地の保全を支援しています。AVEDAは森林管理協議会のFSC認証とWildlife Friendly認証の両方の条件を満たす紙の調達に踏み切った最初の企業です。

SDGsの取り組み6. アヴェダのパッケージへの取り組み

AVEDAは、化粧品会社として初めて、100%使用済みリサイクルPETを使用しています。現在、スキンケア製品およびヘアスタイリング製品のボトルまたはジャータイプのPET容器の85%は、100%使用済みリサイクル材からできています。

100%使用済みリサイクル材を使用

AVEDAが開発したパッケージはどれも環境フットプリントを意識し、包装を極力減らすとともに、出来る限り再生可能な原料または使用済みリサイクル材を使用しています。また、植物由来プラスチックを使ったパッケージ製造も進めています。高級化粧品会社初の使用済みリサイクル材とバイオプラスチックを組み合わせたチューブです。AVEDAでは、100%使用済みリサイクル材を出来る限り利用するようにしています。AVEDAが利用するバイオプラスチックは、サトウキビを主原料としたバイオポリエチレンです。サトウキビは再生が早く、それ故に持続可能な原料とも言えます。

 ゆりかごからゆりかごへ(CRADLE TO CRADLE認証)

AVEDAがC2C認証を得るまでCradle to Cradle(以下C2C)認証とは、C2Cプロダクツ・イノベーション・インスティテュートが発行するライセンスです。C2Cのビジョンと原則は、AVEDAが長年目指してきた環境社会配慮の方針とも一致しています。特に以下の3点において、C2Cの概念とAVEDAの使命は共通しています。

廃棄物の資源への転換

これは、資源を生物圏(自然)あるいは技術圏(産業)のいずれかのサイクルの中で継続的に利用するという、C2Cの設計理念の中核となる考え方です。

太陽光などの自然エネルギーの利用

再生可能エネルギーはすべて、他の発電方法(化石燃料を使った火力発電や原子力発電など)よりも望ましいとされています。

多様性の尊重

この考え方に関するAVEDAの方針は、製品開発に反映されています。AVEDAではさまざまな植物性由来成分を利用しており、その多くが世界各地の生物多様性の保護者たる多様な伝統的コミュニティ、または先住民族のコミュニティによって栽培・採集されています。

AVEDAでは、何年も前からC2Cの設計原則に留意し始めています。現在C2C認証を受けているAVEDA製品は、スムーズ インフュージョンやドライレメディー、AVEDAメンなどが挙げられます。

アヴェダの精神は、美容室業界を変える

AVEDAは、2015年にSDGsの指針が出される前から、これらの活動をしていました。時代がAVEDAに追いついてきたと言っても過言ではありません。歴史がある分、取組は大きなものが多いですが、同じ美容業界にいる人たちが、AVEDAの素晴らしい取組みに賛同し、自分たちのできる範囲で持続可能な取り組みを考えていくことが大切です。

また、製品を購入して使う私たちも、このような持続可能な取り組みを真摯に行なっているメーカーが作る製品を選んで使うことが、世の中の流れを変える大きな一歩になることは間違えないでしょう。

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この記事を書いた人

株式会社カプラス代表取締役として、美容室事業・ヘアメイク事業・メディア事業を展開。新しい仕組みを考え、業界の現状と理想を配信。『できるを増やして、やりたいを実現する』をモットーに『美容師の社会的価値の向上』を目指します。

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