【美容室で働く】教育カリキュラムを紹介『乳化#10』

美容室で髪を染めた後は必ず、カラーシャンプーをしますよね!シャンプー前にカラー剤とお湯を混ぜながら、くるくるとマッサージされた記憶がある方が多いのではないでしょうか?美容室では、このくるくるを『乳化』といいます。ここではとても大切なシャンプー前の『乳化』について解説していきます。

目次

乳化って?目的を知って正しく実践

一般的に油と水を混ぜ合わせてクリーム状にすることを『乳化』といいます。美容室での『乳化』とは、カラーシャンプー前に少量のお湯と頭皮に塗ってあるカラー剤を混ぜ合わせて白っぽいクリーム状にする事です。

ほとんどの美容室でカラーシャンプー前に行われる『乳化』。なぜその工程が必要なのでしょうか。乳化する目的を理解しましょう。

乳化の目的1. 頭皮からカラー剤を浮かせる

乳化によってカラー剤が頭皮から落ちやすくなるメリットがあります。毛穴に入り込んだカラー剤も、乳化させることによって浮き出てくるため、詰まったまま残る心配がありません。カラー剤は、シャンプーなどの洗浄剤では落とし切ることができません。カラー剤はカラー剤でしか落ちないという事をしっかり肝に銘じて乳化しましょう。

特に色味が濃いカラー剤の場合、上手く乳化されていないと、頭皮が染まったままでフェイスラインに黒い線が残ってしまう原因に。また、乳化で浮かすことができなかったカラー剤が頭皮に残ると、炎症を起こし痒みや肌荒れにつながります。思わぬトラブルになり兼ねませんので、乳化漏れがないよう丁寧に行いましょう。

乳化の目的2. カラー剤の色を馴染ませる

乳化の作業をすると、カラーの色味を髪の毛全体に馴染ませられるメリットがあります。基本的には、ムラなく綺麗に塗布されているカラー剤ですが、万が一の塗り残しがあった場合、乳化でぼかす事ができたり、全体を均一に馴染ませたりする効果があります。

また、リタッチのみの場合、乳化するとこで染めてない中間部分への色馴染が期待できます。

乳化に時間をかけすぎてしまったり、本来染めるはずのなかったところも混ぜてしまったりすると、思っていたよりも色が濃く入りすぎる原因や色ムラにも繋がります。これ以上色を濃くしたくないという場合は乳化に時間をかけてはいけませんし、染めたくない部分があるのであればブロッキングをしっかりとるなど注意が必要です。

乳化のやり方

ここからは基本的な乳化のやり方を解説していきます。7つのポイントを押さえ、しっかり覚えて手際よく出来るようにしましょう!

ステップ1. シャンプーボウルにお湯をためる

カラー直後の頭皮は敏感になっているので、普段よりもお湯が熱く感じがちです。お湯をぬるめの温度に設定して、シャンプーボウルに溜めます。

ステップ2. フェイスラインから乳化する

シャンプーボウルに溜めたお湯を少しずつ、フェイスラインのカラー剤を浮かすように、親指を使ってクルクルと馴染ませます。この時、お客様のお顔にカラー剤が広がらないよう、浮いた薬を自分の方に向かって拭うようにクルクルしましょう。

特に、耳周りは耳にカラー剤が入らないように注意します。もみあげの毛を下から起こすように馴染ませるのがポイントです。毛を寝かせるようにしてしまうと、カラー剤が耳の縁についてしまうので気をつけましょう。お湯を付け足す際も、耳に入らないように注意を払ってください。

ステップ3. 頭皮→毛先のカラー剤を乳化する

フェイスラインが終わったら徐々に頭全体に範囲を広げていきます。襟足は、シャンプーでネープを流す時のようにして首を支え、空いている手でお湯を掬い上げながら乳化しましょう。

顔まわりと正中線上は、特にカラー剤が残りやすい部分です。オーバーラップするように大きく手を動かして、乳化漏れがないよう気をつけましょう。カラー剤が白っぽくクリーム状になったら、乳化ができた合図。毛先も包むように全体的に馴染ませて完了です。

時間がかかりすぎてしまうと、求めている仕上がりよりも濃く入ってしまうので、2.3分ぐらいを目安に終われるようにします。

【お湯を足しすぎない】
最初からお湯が多すぎると、乳化の効果が発揮されず頭皮にカラー剤が残りやすくなります。お湯とカラー剤の分量を考えながら乳化していきましょう。

ステップ4. カラーシャンプー

全体に白っぽくクリーム状になったら、流していきます。シャワーをあてながら、頭皮をしっかり指で掻いて、浮き上がったカラー剤を落としていきましょう。

乳化がきちんとされていると、シャワーだけでも頭皮にカラー剤が残りません。

その後、通常のシャンプーをして完了です。

乳化のポイントまとめ

① 温めのお湯で
② 最初からお湯を足しすぎない
③ 擦らず優しく浮かすように
④ 残りやすい正中線やフェイスラインはオーバーラップしながら
⑤ 顔にはみ出さない
⑥ 毛先全体にも乳化して色をなじませる
⑦ シャワーで落ちるぐらいまで頭皮がカラー剤を浮かせる

乳化は素早く丁寧に

いかがでしたか?乳化の大切さがお分かりいただけたかと思います。明日からのカラーシャンプーに活かして、お客様に喜んでいただけるシャンプータイムをご提供しましょう。

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この記事を書いた人

CARINO編集部です。美容師さんやヘアメイクアーティストさんに役立つコンテンツを発信します。

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