「お客様は美容室で話したくないと言うけど、だからといってずっと無言でいたら『つまらなかった』『雰囲気が良くなかった』と思われることもあります。結局どうするのが正解なんでしょうか?」
これ、結構難しい問題ですよね。
以前は「なんで美容師さんってあんなに話しかけてくるの?」というお客様側の質問に答えましたが、今回はその逆。
美容師側がどうしたらいいのか、について考えてみました。
美容師さん側も、実は同じくらい悩んでいます。
正解はない?美容師とお客様の会話について
いきなり曖昧な結論になってしまいますが、やはり、これという正解はないと思います。
お客様が心地よいと感じる接客は様々で、たくさん話したい人もいれば、仕事帰りで疲れていて静かに過ごしたい人もいます。
何より難しいのは、同じ人でもその日の気分によって変わることだってあります。
だから、「この接客が正解」というものは、おそらくありません。
「あまり話さない人=話したくない人」とも限らない

ここが一番難しいところではないでしょうか。
例えば、美容師さんが話しかけても、「はい。」「そうですね。」くらいしか返ってこないお客様。
「今日は静かに過ごしたいんだな」と思うかもしれません。
でも、中には本当は話したいけど、人見知りでうまく話せない人もいるんですよね。自分から喋るのは苦手だし、リアクションも大きい方ではないけど、人が話しているのを聞いてるのは好きだ、という人。
だから、一言しか返ってこないというところだけで「そっとしておこう」と判断するのは難しいと思います。
「何に意識が向いているか」をみると良いのでは?

もちろん絶対ではありませんが、私なりに考えたのは、「施術を受けている最中のお客様の意識がどこにあるか」というのが一つの判断材料にはなるんじゃないかなと思いました。
例えば、
- スマホで動画を見ている
- 小説や雑誌を読んでいる
- タブレットに集中している
こういう方は、その時間を楽しみたい可能性が高いので、必要なことだけお声がけするくらいでいいのかもしれません。
逆に、
鏡をぼーっと見ていたり、美容師さんの手元を見ていたりする方。
もちろん「思考を放棄したくてぼーっとしている」という人もいるでしょう。
でも、「今ぼーっとしてるので話しかけないでください!」というよりは、そこまで会話を拒否しているわけではない人の方が多いような気がします。
だから、軽く話しかけてみて、お客様の反応を見ながら続けるかどうか決めるくらいがちょうどいいのかなと思います。
「何を聞かれるか」より、「なんで聞かれるのか」が大事

お客様が「質問ばっかりされるな…」と感じるのって、質問される行為そのものへの拒絶というより、意図がわからないことが嫌だったりするんじゃないでしょうか。
例えば、「お仕事は何をされてるんですか?」だけ聞かれると、「なんでそんな個人情報を聞くんだろう?」と思う人もいます。
でも、「お仕事によってスタイリングのしやすさや髪のお悩みが変わることもあるので、お聞きしてもいいですか?」という一言があるだけで、印象はかなり変わります。
営業職なら清潔感を重視したスタイルをご提案できるかもしれません。
湿気の多い職場なら、広がりにくいスタイリング方法をお伝えできるかもしれません。
つまり、お客様のプライベートを知りたいわけではなく、髪に関する提案をするためなんだということが伝われば、安心して答えられる人も増えると思います。
仕組みを使うのも一つの方法

全部をその場で察するのは、正直かなり難しいです。
だから、カウンセリングシートで「静かに過ごしたい」「たくさん話したい」を選べるようにしたり、予約時の備考欄で希望を書いてもらったり、仕組みを作って事前に意思表示してもらうのも一つの方法だと思います。
また、SNSで「こんな接客をしています」と自信の接客スタイルを発信するのも、お互いのすれ違いを減らすきっかけになると思います。ただこちらの方法は、お客様を絞り込んでしまうので、幅広いお客様に予約してほしいという人にはあまりおすすめしません。
まとめ
美容師さんは「話しかけた方がいいのかな」と悩み、お客様は「できれば静かに過ごしたいな」と思っている。
どちらも相手を困らせようとしているわけではありません。だからこそ、「話す・話さない」を正解にするのではなく、
“このお客様は今日どう過ごしたいんだろう”
と考えながら接することが、一番大切なんじゃないかなと思います。
そして、お客様側も「今日は静かに過ごしたいです」と伝えられる雰囲気があれば、お互いにもっと気持ちよく過ごせるはず。
美容師という仕事は、髪を切る技術だけじゃなく、人との距離感を考え続ける仕事なんだなと、改めて感じました。


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