前回の記事では、美容師のデビューまで3年かかる理由について、サロングラフの考えをお伝えしました。
- 営業時間外での練習が中心であること
- 技術講習やチェックの機会が限られていること
- 教育する側にも十分な時間を確保しにくいこと
こうした教育の仕組みが積み重なり、結果としてデビューまで3年という期間が当たり前になっているのではないか、というお話でした。
そこで私たちが考えたのが、「アカデミーサロン」という新しい教育の仕組みです。
とはいえ、ここで多くの方が疑問に思うはずです。
「半年で基礎カリキュラムを修了するなんて、本当にできるの?」
私たちも、技術を減らしたり、基準を下げたりして半年にするつもりはありません。
では、なぜ半年という期間が現実的になるのでしょうか。

半年を実現できる理由|練習を業務にしたから
3年かかる従来の教育では、営業中はアシスタント業務、技術練習は営業後に行うことが一般的です。
つまり、技術を身につけるための時間は、「空いた時間」に確保するしかありませんでした。
一方、アカデミーサロンでは考え方が異なります。
技術を学ぶこと自体が仕事です。
教育を受ける時間を営業時間内に確保し、講師が一日を通して技術指導を行います。
営業が終わってから急いで練習を始める必要も、短い時間で技術を覚えようとする必要もありません。
また、教育担当が継続して成長を見守ることで、「今日は誰が教えるのか」「次に見てもらえるのはいつなのか」といった教育のばらつきも減らすことができます。
講師がその場で技術を確認し、課題を伝え、改善を繰り返していく。
このサイクルを高い頻度で回せることが、アカデミーサロンの大きな特徴です。
カリキュラムの短縮 ≠ 内容を減らす
ここで誤解してほしくないのが、カリキュラムを簡単にしたから、学ぶ技術を削減したから、期間を短縮できるわけではありません。
3年間で学んでいた内容は、そのまま学びます。
違うのは、「学ぶ時間の使い方」です。

これまでの3年間には、営業後しか練習できない日、講習の日を待つ期間、チェックを待つ期間、アシスタント業務が中心となる日など、「技術を学びたくても学べない時間」が数多く含まれていました。
アカデミーサロンでは、その時間をできる限り「学ぶ時間」に置き換えていきます。
つまり、技術項目を削るのではなく、3年間に分散していた学習を集中的に行うという考え方です。
だからこそ、基礎カリキュラムを半年で修了するという目標が現実的になります。
もちろん、半年で一人前になれるとは考えていません。
半年で修了するのは、あくまで基礎カリキュラムです。
その後はジュニアスタイリストとして実際にお客様を担当しながら、約2年間を育成期間と考え、技術力や接客力を磨いていきます。
私たちは、「一人前になるまでの時間」を短くしたいのではありません。
「経験を積み始めるタイミング」を早めたいのです。
「アカデミーサロン」新しい店舗をつくるのか?
ここまで読むと、
「そんな教育を行う場所を新しく用意するの?」
と思われるかもしれません。
しかし、アカデミーサロンは新しい店舗を増やす仕組みではなく、運営形態の話です。
既存のメインサロンの定休日を活用し、その日だけアカデミーサロンとして運営するため、新たな場所の確保は不要。
複数店舗がある場合は定休日を分けることで、教育の場を継続的に確保することも可能です。
さらに、現在は同じ店舗内で異なるブランドを展開できる「インサロン」という仕組みもあり、一つの店舗を営業日によって異なるサロンとして運営することもできます。
つまり、新たな物件や大きな設備投資がなくても、既存の店舗を活用しながら教育の場をつくることができるのです。
また、基礎技術を身につけた新人がモデル施術や対象を限定したお客様への施術を担当できるようになれば、教育の場でありながら売上を生み出すこともできます。
そして、アカデミーサロンをきっかけにサロンを知ったお客様が、難しい施術やより高度な技術を求めてメインサロンへ来店されることも期待できます。
教育だけでなく、サロン全体の未来につながる仕組み。
それが、サロングラフが考えるアカデミーサロンです。
次回は、実際に半年間でどのような技術を学び、どのような流れでジュニアスタイリストへ成長していくのか、半年カリキュラムの内容について詳しくご紹介します。


