美容師が「理容師免許」を取るダブルライセンス|最短ルート・費用・サロン経営の落とし穴まで徹底解説

近年、美容業界で注目を集めている「ダブルライセンス(美容師・理容師の両方の免許を持つこと)」。

「メンズスタイルをもっと極めたい」「訪問美容やブライダルシェービングを導入したい」と考え、ダブルライセンスの取得を目指すスタッフが増えています。

平成30年の法改正により、すでに美容師免許を持っている人は、圧倒的に短期間・低コストで理容師免許が取れるようになりました。

今回は、オーナーや店長がスタッフから相談された時にも役立つ、ダブルライセンスの「最短ルート」「費用」「サロン経営における盲点」を分かりやすく整理しました。

【10秒でわかる!】この記事のまとめ

美容師が理容師免許を取るための3大ポイント

① 法改正で大チャンス:筆記試験の4科目が「免除」になり、実技と1科目だけでOK

② 選べる2つのルート:通学(1年/約70万円)か、働きながら通信(1年半/約40万円)

③ 導入の最大の罠:資格を取っても、サロンの「構造(保健所の登録)」が違えば顔剃りはできない

目次

そもそも何が変わる?「美容師」と「理容師」の違い

似ているようで、法律(美容師法・理容師法)で定められた役割は全く異なります。ダブルライセンスにすることで、お互いの「できないこと」を1人で完璧にカバーできるようになります。

職種法律上の定義・目的認められていないこと
美容師パーマ、髪結い、メイク等で「容姿を美しくする」カミソリを使った本格的な「顔剃り」、ブライダルシェービング
理容師髪の刈り込み、顔剃り等で「容姿を整える」まつ毛エクステ、お洒落目的のメイクや髪のセット

※美容師でも「お化粧の下準備」としての軽い剃毛は認められていますが、理容師のように男性の髭を剃ったり、本格的なシェービングメニューを提供することは法律上できません。

【法改正で激変】美容師が理容師免許を取る「最短ルート」

平成30年度の法改正(修得者課程の設立)により、美容師免許保持者はめちゃくちゃ優遇されるようになりました。

① 筆記試験の「4科目」が免除!

試験をゼロから受け直す必要はありません。申請をすれば、美容学校時代に合格している以下の共通科目がすべて免除されます。

免除される科目: 関係法規・制度 / 衛生管理 / 保健 / 香粧品化学

受験する科目】「理容技術理論」の1科目のみ + 実技試験

② 取得にかかる「時間とコスト」の目安

昔はもう一度学校に2年通う必要がありましたが、現在は「昼間・夜間なら1年」「通信なら1年半」に短縮されました。

【ルートA:昼間・夜間課程(通学)】

期間: 1年間
学費相場: 約70万円

メリット: 最短で取得可能。母校の卒業生割引などが使えるケースも。

【ルートB:通信課程(働きながら)】

期間: 1年半(6ヶ月長い)
学費相場: 約40万円

メリット: サロンワークを続けながら、休日にスクーリングを通う形で両立しやすい。

【最大の盲点】資格を取っても「普通の美容室」では顔剃りはできない!

ここがオーナーもスタッフも一番勘違いしやすい「経営上の落とし穴」です。

「スタッフが理容師免許を取ったから、明日からうちの美容室でシェービングメニューを始めよう!」は、完全に違法(一発アウト)になります。

ダブルライセンスを活かすには、サロンの「場所(保健所の登録)」が以下のいずれかの基準を満たしていなければなりません。

✕ 違法になるパターン

普通の「美容室」として登録されている空間で、いくらダブルライセンス保持者であっても、お客様に顔剃り(理容行為)をすることはできません。

◯ 活かせる3つのサロン形態

① 完全な「理美容室(重複開設)」にする
1つの空間で理容・美容の両方を営業する形態。ただし条件として「働いているスタッフ全員がダブルライセンス保持者であること」が必須です(1人でも片方の免許しか持たない人がいると成り立ちません)。

② 同一店舗内で「部屋(ブース)」を完全に分ける
入り口や壁で「美容スペース」と「理容スペース」を明確に区切る形態。ダブルライセンス保持者は両方の部屋を行き来して施術ができます(片方しか持たないスタッフは、それぞれの専用スペースでのみ働けます)。

③ 【特例】訪問理美容やブライダル・TV撮影など
サロンの外(福祉施設や結婚式場など)へ出向いて施術を行う場合は、それぞれのライセンスをその場で活かすことができます(※自治体への事前の届け出が必要です)。

まとめ|ダブルライセンスは、これからの時代の強い武器になる

ジェンダーレス化が進み、個人のニーズが多様化する現代において、美容・理容の枠を超えた技術を持つスタイリストは、サロンにとっても超強力な資産になります。また、高齢化社会における「訪問理美容」の現場でも、両方の資格を持っている人の需要は高まる一方です。

もしスタッフから「挑戦したい」と相談されたら、まずは「通信なら働きながら1年半・費用40万円でいけるよ」と背中を押しつつ、「ウチのサロンの構造でメニュー化できるか、一緒に保健所に確認してみよう」と、現実的なアドバイスをしてあげるのがベストです。

コンプライアンスを正しく守りながら、サロンの「できること」を賢く広げていきましょう!

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