【撮影メイキングレポート】『最後の1ラウンド』拓実編|リングの上の「覚悟」を映すリアルな傷感と段階変化

今回の現場で、主人公の拓実を担当するにあたって一番の挑戦だったのは、やはり試合後の「痛々しく、生々しい傷感」の表現でした。彼がどれだけ全力を出し切り、ボクシングと向き合ったのか。その覚悟をビジュアルで伝えるための裏側をお話しします。

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探りながら作り上げた、生々しく痛々しい「傷」の質感

一番こだわったのは、試合が進むにつれて刻まれていく傷の「リアリティ」です。 単に赤や紫を乗せるのではなく、エチュードのコントゥアパウダーで絶妙な影を仕込み、ケセランパサランのメイクパレットを使って、パンチが当たった瞬間のような生々しい質感を追求しました。

あえて左右非対称に傷を配置することで、試合のリアルな攻防戦を表現しています。視聴者の方に「痛そう……!」と感じてもらえるような質感を出す調整は今回一番難しかったポイントですが、NARSのベースメイクでカメラ映えする土台をしっかり作ったからこそ、特殊メイクとしての傷がより鮮烈に浮かび上がりました。

「生活感」の中に忍ばせた、丁寧なヘアのこだわり

激しい試合シーンがあるからこそ、ヘアスタイルはシンプルでリアリティのあるまとめ髪にしています。

エヌドットのオイルと自社ブランドのシュプレーブローブのバームを使い、汗や熱気で少し濡れたような束感をプラス。リングの上で何度でも立ち上がる拓実の髪が、彼の躍動感に寄り添えるようにスタイリングしました。

常に正解を探す、メイクの「段階変化」の楽しさ

唇にはワセリンバームだけでカサついた質感を出し、極限まで追い詰められたボクサーの表情をトータルで作り込んでいきました。

メッセージにも書かせていただきましたが、同じ傷メイクでも、演じる役者さんの骨格や表情によって見え方は全く変わります。現場で常に「今の拓実にとっての正解」を探りながらビジュアルをアップデートしていく工程は、ヘアメイクとして本当に刺激的で楽しかったです! 傷を負うごとに強くなっていく拓実の表情、ぜひ注目して見てみてください。

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