「この後どこか行かれるんですか?」美容室でよく聞かれる“あの質問”に隠された本当の意図5選

美容室の鏡の前、シャンプーが終わってカットやスタイリングに入る直前。美容師さんから「この後はお出かけですか?」「この後のご予定は?」と聞かれた経験は、誰しも一度はあるはずです。

何気ない世間話のようにも思えますが、実はこれ、単なる「トークのネタ」や「お喋りのきっかけ」で聞いているわけではありません。プロの美容師が、目の前のお客様に最高の仕上がりを提供し、かつ快適に過ごしてもらうための「非常に重要な情報収集」なのです。

この記事では、美容師が「この後の予定」を質問する裏側にある、5つのプロの意図を徹底的に解説します。これを読めば、明日からの美容室での時間が、少し違って見えるようになるはずです。

目次

意図その①スタイリング剤の「種類」と「量」を見極めるため

これが最も大きな理由です。お客様がこの後どこへ行くかによって、使用するワックスやオイル、スプレーの選択は180度変わります。

「この後は帰って寝るだけ」の場合

もしそのままお家でお休みになるのであれば、ベタつくハードワックスや、ガチガチに固まるスプレーをかけるのはNGです。枕が汚れてしまいますし、夜にシャンプーをする二度手間になってしまいますよね。この場合は、洗い流しやすい軽いヘアオイルや、つけたまま眠れるアウトバストリートメントだけでナチュラルに仕上げるのがプロの優しさです。

「この後は友達とディナー」「デートに行く」の場合

夜までしっかりと可愛いスタイルをキープしたい現場です。湿気や風に負けないよう、束感を出すスタイリング剤をしっかり揉み込み、ベースにはカールがダレないようにキープスプレーを軽く仕込みます。お客様の「その日の夜の景色」に合わせて、プロは引き算・足し算をしているのです。

意図その②アイロンでの「巻き方」や「アレンジ」のテンションを変えるため

ご予定の有無は、デザインそのものの「本気度」にも直結します。

「お出かけ」の場合

お出かけの内容によって、「それなら、いつもより少し強めに巻いて、今っぽいニュアンスを引き出しましょうか!」「お洋服はどんな感じですか?それに合わせてストレートか巻くか決めましょう」と、特別な1日を演出するためのクリエイティブな提案に繋がります。

「特に予定はないかな」の場合

 頑張りすぎた巻き髪にしてしまうと、帰りの電車やスーパーでの買い物で、お客様が「気恥ずかしい」と感じてしまうことがあります。そのため、あえて「ブローだけでツヤを出すナチュラルな仕上げ」や、「ワンカールだけのラフなスタイル」にして、日常に溶け込むお洒落を提案します。

意図その③施術を終わらせる「リミット(退店時間)」を逆算するため

美容室は、どうしても髪質や薬剤の浸透具合によって、予定していた時間よりも施術が前後してしまうことがあります。

「18時から友達と約束があるの」と言われた場合、美容師の頭の中の時計がカチッと動き出します。「お店を17時半には出ないと遅刻してしまうな。今の時点で16時半だから、カラーの放置時間を少し調整して、ドライヤーは2人がかりで入ってスピードアップしよう」と、裏でタイムスケジュールを分刻みで逆算し始めます。 

お客様に焦ってバタバタと退店させるような不快な思いをさせないために、あらかじめ終わりの時間を把握しておくための、リスク管理の質問でもあるのです。

意図その④その後の予定に合わせて「気遣い」を変えるため

美容師さんは、施術だけではなく「この後お客様がどう過ごすか」まで想像しながら接客していることがあります。

たとえば、「これから仕事に戻る」「映画を観に行く」「長時間外を歩く」など予定が分かると、

「前髪、崩れにくいようにしておきますね」
「今日は湿気強いので、広がりにくいよう仕上げますね」
「巻きが取れてきた時も変にならないようにしておきますね」

などと、その後を見越した一言や仕上げの配慮がしやすくなります。

美容師さんにとって“髪を切って終わり”ではなく、「お店を出た後も快適に過ごせるか」は、意外と大事なポイントだったりするのです。

意図その⑤世間話として「お客様の好きな話題」を探るため

もちろん、純粋にコミュニケーションを円滑にするための糸口でもあります。

「これから映画を観に行くんです」「何のアニメですか?」「これから推しのライブなんです」「誰のライブですか!」 ご予定の話題から、お客様の趣味やライフスタイルが見えてきます。

「このお客様はこういうカルチャーが好きなんだな」と分かれば、次回の提案の際に「今度こういうトレンドの髪型が流行るんですけど、お客様の好きな世界観に絶対合いますよ!」と、より精度の高い、好みに寄り添ったヘアスタイルの提案ができるようになります。

まとめ|すべての質問には、あなたを「一番素敵にする理由」がある

美容師が投げかける質問には、一見雑談に見えるものでも、すべて「目の前のお客様を、今日という1日の中で一番輝かせるため」のロジックが詰まっています。

もし次に美容室で「この後どこか行かれるんですか?」と聞かれたら、身構える必要は全くありません。「今日はこの後、お家でNetflix観るだけなんです」「これから気合いいれて買い物なんです!」と、等身大の予定をそのまま教えてください。

あなたのその一言を受けて、プロの美容師はハサミを握る手や、スタイリング剤を選ぶ指先に、あなただけの「オーダーメイドの魔法」をこっそり仕込んでいるはずですよ。

FAQ|美容室での質問に関するよくある質問

Q1:「予定はない」と答えたら、つまらない客だと思われますか? 

A:絶対に思いません!むしろ「今日はお家でゆっくり過ごすための、癒やしの時間としてサロンを選んでくれたんだな」と嬉しくなります。予定がないからこそ、お家で楽に扱えるブローのコツや、極上のヘッドスパなどでリフレッシュしていただくことに全力を注ぎます。

Q2:美容師さんに「この後どこへ行くか」を言いたくない場合は、どう返せばいいですか? 

A:プライベートをあまり話したくない時もありますよね。そんな時は「あ、ちょっとそこまで買い物に」「ちょっと用事があって」と、笑顔でふんわり返していただければ大丈夫です。プロであればそれ以上深く詮索せず、「では、崩れにくいように/ベタつかないように仕上げておきますね」と察して対応します。

Q3:逆に、最初に「〇時までに店を出たい」と伝えてもいいですか? 

A:はい!むしろ最初に伝えていただけるのは、美容師側としてはものすごく助かります。カウンセリングの時点で「今日は15時にはお店を出たいです」と教えていただければ、それに合わせて施術の工程を組むため、お客様もハラハラせずに安心して過ごしていただけます。

Q4:アシスタントの方とスタイリストの方に、同じ質問を何度もされるのはなぜですか? 

A:カルテの共有不足が原因であることも多く、お客様に何度も同じ説明をさせてしまうのはサロン側の反省点です。ただ、アシスタントは「シャンプー後のドライやマッサージの強さを調整するため」、スタイリストは「最後のカットや仕上げのデザインを決めるため」という、それぞれの役割に合わせた目的で確認しているケースもあります。

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