美容室でのドライは、単に髪を乾かすだけの作業ではありません。「生えぐせを直す」「ボリュームを操る」といった、その後のスタイリングの成否を決める大切な技術です。
目的を正しく理解して、お客様に「気持ちいい」と感じていただける極上のドライを身につけましょう!


目的別!ドライヤー『3つの風』の使い分け
ドライヤーには、それぞれ役割があります。これらを上手く切り替えることで、髪へのダメージを抑え、ツヤのある仕上がりを作ることができます。
- 強風:基本の乾燥に
基本は強風で一気に乾かします。高温の風が出るため、一箇所に当て続けず、ドライヤーを振りながら風を分散させるのが鉄則。タンパク変成によるダメージを防ぎましょう。 - 弱風:繊細な部分と仕上げに
前髪や顔周り、ウェーブスタイルを乾かす時に使います。また、仕上げの時に使うと髪が散らかりにくく、毛先までまとまり良く整えることができます。 - 冷風:ツヤ出しとキープに
髪のタンパク質は「熱で柔らかくなり、冷やすと固まる」性質があります。最後に冷風を当ててキューティクルを閉じることで、崩れにくい艶やかなスタイルが完成します。
失敗しないための「事前準備」5つのポイント

準備を怠ると時間がかかるだけでなく、髪に余計な負担をかけてしまいます。スイッチを入れる前に、以下の5点を必ずチェックしましょう。
- しっかりタオルドライ
水が滴る状態では時間がかかります。優しく挟むように水分を拭き取ります。 - 丁寧なコーミング
分け目と前髪を確認し、絡まりを解きます。 - 完成形をイメージ
乾かした後のブローやアイロン作業を想定して、仕上がりを逆算します。 - アウトバストリートメント
髪の状態に合わせて塗布します。なぜこれを使うのか、お客様にメリットを伝えながら行いましょう。 - 最初のお声掛け
「乾かしていきますね、お熱いようでしたら仰ってください」の一言が、お客様の安心感に繋がります。
ドライの手順とプロのテクニック
基本は「根元 → 中間 → 毛先」の順です。根元は乾きにくく生えぐせも強いため、最初にデザイン通りの方向へ向けながら乾かします。
【現場で差がつくコツ】
ドライヤーの風と自分の手を連動させ、手ぐしでデザインしながら乾かします。頭皮に触れる手ぐしの力加減は、お客様の頭が動かない程度がベスト。また、自分の手に風が当たるように乾かすと、お客様が熱くなる前に気づくことができます。
- ボリュームを出す時: 根元から立ち上げ、円を描くように手ぐしを通します。
- ボリュームを抑える時: 頭皮に沿うように手ぐしで押さえながら風を当てます。
- 毛先: 9割乾いたところでゆっくり手ぐしを通し、バサバサになるのを防ぎます。
プロとして大切な「接遇と引き継ぎ」

技術と同じくらい大切なのが、お客様への配慮です。途中で熱くないか伺うのはもちろん、万が一爪が当たってしまったり、熱い思いをさせてしまった場合は、その場ですぐに心を込めて謝罪しましょう。
そして大切なのが「担当スタイリストへの報告」です。些細なことでもトラブルや謝罪があった場合は、引き継ぎの際に必ず伝え、スタイリストからも一言フォローしてもらうようにします。これがクレームを防ぎ、お店全体の信頼を守ることに繋がります。
先輩からのメッセージ
「ドライヤーひとつで、お客様は眠ってしまうほどリラックスされます」 上手な人に乾かしてもらうのは、本当に気持ちがいいものです。逆に、少しの油断が乱暴な印象を与えてしまうこともあります。
「乾かしすぎ(オーバードライ)」はパサつきの原因になり、スタイリングができなくなってしまいます。絶妙なタイミングを見極められるよう、練習を重ねていきましょう。わからないことがあれば、いつでも先輩に聞いてくださいね!


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