【現場レポ】『引きこもりの理由』ゆうた編。光を遮る部屋で保たれる、静かなる「素肌」のリアリティ

こんにちは!今回は、脚本の核心を突くセリフ「完成されてると物語がない」という言葉を残した主人公、ゆうたのヘアメイクに迫ります。

部屋から一歩も出ず、薄暗い空間で膝を抱えて過ごすゆうた。彼のビジュアルに求められたのは、ただの「だらしなさ」ではありません。外の世界を拒絶し、自分の美学の中に閉じこもる少年の、繊細で虚無的な空気感です。今回のヘアメイクは、あえて「何もしない」ことを「プロの技術で完璧に作り込む」という、非常に逆説的で高度なアプローチが取られました。

目次

ベースメイク:NARSで仕込む「生活感のない透明感」

遠くを見つめるゆうたの横顔。この薄暗い部屋の中でも失われない、肌の「透明感」が、彼のキャラクターを象徴しています。

引きこもりの少年らしく、外の風や光を浴びていない、少し青白くキメの整った肌。それを表現するために、補正しすぎるのではなく、素肌のリアルな質感を最大限に活かすNARSをセレクトしました。

膝を抱えるその一瞬のポーズでも、画面越しに彼の繊細さが伝わるよう、生活の匂いを消した「静止画のような肌」を構築。あえて色味を足さないことで、ゆきちゃんの「編み込みおさげ」の色彩が、ゆうたの目に鮮烈に映るような対比を作っています。

ヘアスタイル:エヌドットが作る「無頓着という名のデザイン」

ブラウニーを食べているゆうたの、少し跳ねた髪。母親に「ちゃんと起きるところから」と言われてしまうような、寝起きのリアリティを感じさせます。

決して「セットしました」という形跡は見せず、しかしカメラの前でだらしなく見えすぎない絶妙な「日常感」。エヌドットのオイルやセラムを使い、髪にわずかな束感と自然な潤いを与えることで、手入れされていないようでいて、実は「素材の良さ」が際立つ、美しい無頓着さを演出しました。

また、「完成されていない」ことに価値を見出す彼だからこそ、髪も作り込まず、素材そのものを活かす。そんな彼の哲学が、この自然体なヘアスタイルにも投影されています。

スクロールできます

物語は、ここから「色」づいていく

今回のゆうたのメイクは、いわば「真っ白なキャンバス」。これからゆきちゃんが少しずつ変わっていく姿を映し出すために、あえて徹底的な引き算で構成されました。

NARSで作られた無垢な肌と、エヌドットで整えられた自然な髪。その「未完成な完成度」こそが、これから始まる二人の変化を予感させます。ゆうたがブラウニーを口にし、ドアを少し開けた瞬間。その質感に宿る「物語の始まり」をぜひ感じ取ってください。

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