知っておくと役に立つ、ヘアメイク現場での大切なマナーと接遇について知りたい方へ。本記事では、ヘアメイクの仕事から現場で気をつけるべきマナー、アシスタントの接遇まで大公開!一般的に求められる人としてのスキルを紹介していますので、気になった方はぜひ活用してみてください。
【この記事を読んでほしい人】
- ヘアメイク師を目指している人
- ヘアメイク現場でのマナーを身につけたい人
- ヘアメイク現場で求められていることを知りたい人
ヘアメイクさんの事前準備
ヘアメイク現場に必ず必要なものはヘアメイク道具一式ですが、その他にも準備することがあります。前日までに必ずチェックしておきましょう。
事前打ち合わせ
必ずと言っていいほど事前打ち合わせがあります。この時に、クライアントの意向を確認し、要望に沿うようなヘアメイクをイメージしておくことが大切です。メッセージ上のやり取りのみの場合は、企画資料や衣装の画像を送ってもらうなどして構想を練りましょう。
あまりにも違うテイストにするのはクライアントの意向を無視しているようになってしまうため、マナー違反となりかねません。意見を提案することは構いませんが、我を通そうとするのは避けましょう。
ヘアメイク道具の準備
当たり前ですが、なくてはならないものですね。打ち合わせをもとに、必要な道具を揃えます。筆やパフなどはしっかりと清潔な状態にし、不足しているものは補充します。忘れ物がないように入念にチェックしましょう。
ヘアメイク道具以外の準備
ヘアメイク師の仕事はヘアメイクをするだけではありません。ヘアメイクをしてからその仕事が終わるまでが仕事です。ロケバックを持参し、モデルさんや俳優さんのケアに必要そうなものの準備は忘れずにします。
例えばのど飴やティッシュ、扇風機や日傘などが必要です。季節や撮影内容などによってどんな状況が起こり得るか想定して持ち物を決めましょう。
☆詳しい持ち物は別記事参照

時間の管理
これも当たり前ですが、入り時間は必ず守ります。マナー的には10分前くらいに着いているのがいいでしょう。早く着きすぎても迷惑になりますし、ギリギリだとお相手に不安を与えてしまうので、そのくらいがベストです。
撮影場所、仕込みの場所が送られてきたら、時間に遅れないように逆算して家を出発する時間を決めましょう。都内は電車が遅延したり、渋滞に巻き込まれたりすることも考えられるので、早めに出るようにします。
また、事前に送られてきた香盤表をチェックして、撮影の全体スケジュールを把握しておくのも大切です。
現場での立ち振る舞いとチェック項目
実際に現場に入ったらどうすればいいでしょうか。考えながら読んでいきましょう。
現場入りするとき
最初が肝心です。挨拶は「おはようございます、ヘアメイクの◯◯です。今日はよろしくお願いいたします!」と元気よく挨拶をしましょう。スタッフさん一人ひとりに挨拶するのは難しいかもしれませんが、時間があれば挨拶をしましょう。
この挨拶一つでその日の現場の雰囲気や、自分の仕事へのモチベーションが決まります。より良い雰囲気で仕事をするために、挨拶をきちんとすることを心掛けましょう。
メイクの準備をするとき
- どれくらいの広さがあるか
- 道具を広げられる余裕があるか
- モデルさんの座る椅子は動かないよう固定できるか
- モデルさんの座る椅子の背もたれは高すぎないか
- ヘアメイク後でも着替えられる衣装なのか
ヘアメイクスペースの確認
まず、ヘアメイク用に与えられたスペースをチェックします。どのくらいの広さで、道具は広げられるのかどうか。もし道具を広げられなさそうなら、机の用意ができるのか、椅子やワゴンで代用できるのかを考え、必要に応じて現場のスタッフさんに相談しましょう。逆に使わない椅子などがあれば片付けても差し支えないか確認して、なるべく広いスペースを確保できるようにしましょう。
ヘアメイクのしやすさチェック
ヘアメイクスペースの広さや動線のチェックと同時に、モデルさんが座る椅子についても確認しましょう。モデルさんが座る椅子がコロコロ動くキャスター付きの椅子だったら、動かない椅子に交換した方がヘアメイクしやすくなります。また、背もたれが高すぎるとヘアセットがしづらくなってしまうので、その場合も交換可能か聞いてみましょう。
ヘアメイク道具のセッティング
ヘアメイク道具を広げるときは、テーブルを汚さないようにタオルやシートを敷くなど配慮しましょう。特に、ヘアアイロンなど熱が出るようなものは物が溶けるので要注意です。コンセントが遠くて延長コードを使用する場合は、コードに足を引っ掛けないように養生テープを貼って浮かないようにするなど配慮しましょう。
香盤表が紙である場合は、他のヘアメイクさんや自分が見えやすいところの壁に貼るのも忘れずに。道具のセッティングが終わったら、他にできることがないか聞いて手伝います。
モデルさんが到着してからの接遇・応対
スタイリスト(衣装さん)がいない現場の場合は、モデルさんがいらして上着を着ていたら、真っ先に自分が預かるようにします。着ていなかったら椅子まで誘導し、クロスや布をかけてヘアメイクの準備をしましょう。先に着替えがある場合はそちらに誘導してください。

ヘア担当とメイク担当で別れて施術する場合、羽ピンはヘアアシスタントが分け目を考えてつけます。メイク担当より先回りして行動するようにしましょう。
もしヘアメイク中、監督がモデルさんに資料を使いながら説明をしだしたら、ペンを使うか聞いたり、状況を見て気遣いをしましょう。
スタイリスト(衣装さん)が服を着せる際は、必ずそばに行きます。ヘアが崩れないように事前に伝えておくことも重要です。また、服から髪の毛を出したり、ネックレスをつけるときに髪の毛を持ち上げたりするときは、スタイリストさんにさせるのではなくヘアメイクが率先して動きます。
撮影中のフォロー

担当した方が多い場合はなかなか難しいかと思いますが、ヘアの乱れやメイク崩れが気になるときはしっかりとケアします。モニターがあるなら必ずチェックしましょう。このときクライアントさんや監督さんの邪魔にならないように注意してください。
ヘアメイク直しに入るときは無言で立ち入らず、「すみません、ヘアメイク入ります」と一言声をかけます。直し終わったら「お願いします」と言ってから抜けましょう。モデルさんに触る際は、びっくりしないように「失礼します」など声をかけるのも忘れずに。

撮影中、ライトチェンジなどで少し時間がかかる場合は、椅子が必要か聞いたりしてモデルさんを立ちっぱなしにさせることがないようにしましょう。このとき、座るとシワになりそうな衣装のときは、モデルさんを座らせる前にスタイリストさんに確認をとりましょう。
モデルさんに対してこまめに水分補給を促したり扇風機を当てたりして気遣えるといいですね。
休憩中の立ち回り
休憩中は、モデルさんの髪の毛が椅子に挟まっていないか、注意して見ましょう。
お弁当を取りに行ったり、いち早く食べてみんなの分まで片付けたり、率先して行動するのも大切です。
撮影終了後
メイクを落とす場合、その後違うメイクをして帰る場合などによりますが、不必要なものはあらかじめ片付けておくとスムーズです。最低限、ブラッシングやゴムで結んであげる用意をしておくといいでしょう。
全てが終了したら、メイクブースは元通り綺麗にしてから帰るのが鉄則です。椅子など物を移動した場合は元の場所に戻しましょう。他のスタッフさんよりも先に帰る場合は、責任者の方に必ず伝えます。礼儀として、「お先に失礼します」「またよろしくお願いします」などしっかりと声をかけてから帰宅します。
まだ撮影中のときに先に現場を出る場合は、先輩に伝達をして速やかに帰宅するようにします。
現場マナーを身につけてリピートされるヘアメイク師に!
撮影現場で必要なマナーと接遇についてご紹介しました。モデルさんや俳優さん、スタッフさんに不快な思いをさせたり現場の雰囲気を悪くしないようにしたりするためでもありますが、印象を良くしておくことで後々の自分にとってのメリットになります。
「あのヘアメイクさんいい人だったな」「アシスタントしてくれて助かったな」「次回もお願いしたいな」と思ってもらえると、リピートされたり専属になれたりとヘアメイク師としての道が開けるので、最低限の現場マナーを早いうちから身につけていきましょう!